2つの道・改

 人生を巧く泳ぐには「人生を甘く見ること!」(『銀河英雄伝説』)なんていいますけど,私はなかなかそうも行かない性分です.

 以下では何だか偉そうに講釈垂れてますが,結局これはともすると楽をしたがる私自身にいつも言い聞かせていることです.話半分・4分の1,水割りで聞いてくれたらいいと思います.

まず,よくある「2つの道」の話.

 人生においては,たびたび2つの道の選択を迫られます.2つの道とは,楽な道(仕事)としんどい・困難な道(仕事)です.とかく楽な仕事を選びたがる人はそれでは上達しません.困難な方を選びましょう.

私なりに考えた,2つの道の話.

 人生においては,たびたび2つの道の選択を迫られます.2つの道とは,パッと見,そうに見える道と,パッと見,しんどそうに見える道です.いざ楽そうな道を選んでも,実はそれはしんどいかもしれません.一つの選択肢がいかにもしんどそうに見える時,もう一つの選択肢(オルタナティヴ)はその本質以上に良く見えることがあります.隣の芝生は青いっていうじゃないですか.で,「楽そうだ」と思って楽そうな道を選んだ人は,その思わぬ困難さに困ってしまい,こんなはずでは,と落胆・後悔するかもしれません.挫折してしまうかもしれません.当事者はそもそも選択の時点でのメンタリティがネガティブ・後ろ向きですから,この時の「楽そうな」道の「しんどさ」が,客観的に見てそんなに大したことがない場合でも,当事者の想定を越えているために,その実以上の困難さを感じてしまうでしょうし,また,ここで一発奮起して,という心持ちにはなりにくいでしょう.

 一方,一見しんどそうに見える道も,実は見た目ほどにしんどくないこともあります,勿論,見た目通りしんどいことの方が多いでしょうが.で,見た目通りしんどい時でも,選択の時点でしんどいことを承知していますから,結果的に成功するにしろ失敗したにしろ,得るものは多いでしょう.また,実は見た目ほどしんどくない場合の,そのしんどさも,「しんどい」と覚悟していったからこそ,そう感じるのかも知れず,当事者の想定を下回っているだけで,客観的に見たらやっぱりしんどいのかもしれません.

 物事は心の持ちようで大分変わるものだと思います.結局,しんどいんだったらはじめからしんどいと思われる方を選択した方が,気分も良いというものだと私は思います(これは被虐嗜好云々を抜きにしてもです).

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 「営業はしんどそうだからイヤだな」なんて言っている後輩たちの就職活動を見ていて,私はしきりに上のように思います.結局どこへ行っても(ベクトルは違えど)しんどいんですから,このようなメンタリティではどこへ行っても不満や未練がたらたらになってしまうでしょう.いまや公務員でもノルマのある時代ですし,「サービス業は基本的に無理」とか言う人もいますが,サービス業でない職業ってあるんでしょうかね.ノルマがいや,営業がいや,そんな人は赤い国へ行ってらっしゃいです.尤も,そんな国は早晩なくなるでしょうが.

 さて,私の職業(大手家電量販店店員)は給料もそんなに高くないし,労働条件もそんなに良くないし,お休みも少なくて不定だし,社会的地位も高くない(会社によってはバイトがしてますし)です.でも,私は単に販売員というだけでなく,お客様のライフスタイルに合わせたより良い製品をご案内するコンサルタントだと自分で(勝手に)思っています.私は有能な家電製品はお金で買える数少ない幸せだと思っていますので,お客様の幸せの実現に一役買えるというのは実に幸せですよ.お客様が再来店されて「この前買ったあれむっちゃええわー」なんて言われたら最高ですね.

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※(追記)心の持ちよう,という言葉から,こんな話を思い出しました.昔々,人々がピラミッド(だったかな? 神殿だったかも.とにかく作ることが名誉な建造物)を建造している現場,というたとえ話.ある人は石を切り出し,ある人は石を運んでいます.

 石を切り出しているある人は,不満たらったらで働きにも切れがありません.

「毎日毎日石を切り出し続けて,たりぃ〜なぁ〜.石を切るっておもんない仕事だなぁ.」

 すると,生き生きして働いていた,石を運んでいるある人は.こう言いました.

「何言ってるんだよ.オレたちゃピラミッド作ってるんだぜ! 凄いことじゃないか!」

と.確かに石を切るのも運ぶのも,「ピラミッド作り」に変わりありません.石を切る人のような近視眼的なものの見方ではなく,石を運ぶ人のような巨視的な見方って大事ですね.

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