"力持ち"と"物知り"の危機
                    2009.8.12 東山裕一


"力持ち"が昔ほど重宝されなくなってきました。昔は力が男の取りえだったはずですが、世の中便利になって、たいていの力仕事がボタンとハンドル操縦でできる時代になりました。アメリカではバスの運転手はほとんど女性ですし、日本でも珍しくなくなりました。力持ちを自慢できないことが、最近の男性に元気がない(威張れない)原因のひとつのではないかと思います。そういえば、筋肉隆々の男性も見かけなくなりました。

そもそもこうなったのは、18世紀後半の産業革命に端を発する、蒸気機関、エンジンやモータといった動力源の普及によるものといえます。
一方、"物知り"の値打ちも危うくなってきているのではないかと思います。つい最近まで何でも知ってるご隠居さんや生き字引と言われる人がいたものです。しかし、今では電子辞書やインターネットという便利なものが身近になり、わからない事があればすぐに調べられます。

産業革命が"力持ち"の存在価値をなくし、情報革命が"物知り"の価値をなくしそうです。これからの社会では、機械にできない創造力や構想力のある人が重宝される時代になりそうです。

(このテーマの分類に困り、しかたなく全教科共通に入れました)

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