情けは"人の為ならず"
                    2004.8.9 東山裕一


最近よく、常套句を間違った意味に使われるのを耳にします。

「役不足」の本来の意味は、仕事内容・役回りがその人の能力を十分生かしきれない、すなわち役が不足しているという意味で、本人でなく周りの人が使う言葉です。 へりくだったつもりでしょうが、自分で"役不足"と言っているのを聞くと滑稽です。

また半数以上の人が「情けは人の為ならず」を、情けを掛けるとその人のためにならないから掛けないほうが良い、と解釈していると聞きます。 本当の意味は、情けを掛けるということは相手のためでなく回りまわって自分のためになるのだ、という意味です。

"人の為"は偽りです(偽という字はニンベンに為と書きます)。 情けに限らず人にしたことは、施しであろうが仕打ちであろうが、必ずすべてが自分に戻ってきます。 この宇宙真理を身につけて行動している人と、自分本位で行動している人は、明らかに人としての結果が異なります。
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