危機は友、時は敵
                    2005.2.27 東山裕一


悪意で起きた事件ではないにもかかわらず、経営トップの初期対応のまずさでどんどん深みにはまっていき、最終的に企業姿勢が問われて社長が辞任したり刑事事件にまで追い込まれるケースを最近よく目にします。たとえば雪印乳業食中毒、鳥インフルエンザ鶏大量死、個人情報流出などの事件です。

2年前、台湾の新型肺炎(SARS)患者が観光旅行で大阪に滞在したというので大騒ぎになったことがありました。あのとき都ホテルが、自分のホテルに宿泊したこと、そして消毒などの対応状況をいち早く公表しました。お客さん激減覚悟の判断だったろうと思います。たしかに当座は減りましたが、世論は都ホテルの誠意ある態度を応援し、その後都ホテルを利用しようという運動が起こったように記憶しています。
誰にでも、予期できない事態は発生します。大事なことは、その時にあたってどう対応するかということです。その対応の仕方によっては、事件前に比べてはるかに大きな信用を得ることさえできるということです。これはある意味、大きなチャンスです。

危機は誰にでも起きることと心得て、これを嫌がるのではなくむしろ味方だと考え、いかにすばやく顧客本位の対応するかを心がけることです。それを私は「危機は友、時は敵」と名づけました。
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