死ねない地獄
                    2005.10.2 東山裕一


あれがほしい、こうなってほしい、それを邪魔するあいつが憎い。欲の皮がつっぱった人間が起こす毎日の事件を見聞きするたびに、人間という強欲な動物を嘆かざるを得ません。もともと世の中は思うようにならないものです。

自分の命に関しても、もっと生きたいのに死なねばならなかったり、早く死にたいのになかなか死ねないということがあります。前半の辛さはよくわかりますが、反対も同じくらい辛いことのようです。

仏教には六道輪廻(りんね)という世界観があります。そのひとつ、地獄道の中に等活地獄というところがあり、そこで受ける刑はすさまじいものです。五体を切断されるのですが、風が吹くとあっという間に元通りに生き返り、また同じことを繰り返されるという恐ろしい地獄です。生前(人間道にいた間)に殺生をした人が受ける刑だとされています。安らかに死ねないことも地獄だ、としている仏教の教えも奥深いものがあると思います。

欲を張らず、道理に沿って自然に生きるという生き方が最高だと思います。また子供には、道理を教え、好き勝手、気ままを許さない家庭教育が大事です。
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