「梅干し」と「干し柿」
                    2002.9.22 東山裕一


梅を干したものを「梅干し」と言い、柿を干したものを「干し柿」と言います。 なぜだが僕にはわかりません。

普通、名詞+動詞(体言止)は動作を示すはずです。 山を焼けば「山焼き」、人を助ければ「人助け」、川を越えれば「川越え」です。
反対に、ある動作をほどこした物を示すときには、動詞(体言止)+名詞になります。 干した柿が「干し柿」、干したぶどうも「干しぶどう」、焼いた芋は「焼き芋」で、焼いた豚は「焼き豚」。

このルールからすると、「梅干し」は梅を干す行為を表し、それによってできた梅は「干し梅」と言うべきです。

「(魚の)みりん干し」、「(豚の)カク煮」などは動作を表さずに物をさすと言う意味で、「梅干し」に少し近い言葉かもしれません。 でも、みりんを塗って干したもの、四角く切って煮たものの意味ですから、「みりん」や「カク」は手段を説明しているだけで決して目的語ではありません。 あえて言うなら、「干し魚」や「煮豚」といえるでしょう?

なのに「梅干し」は、やっぱり「梅干し」なのです。 だれかこのなぞを教えてください。
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