夢に出てくる人
                    2003.8.15 東山裕一


その昔、ある人の夢を見たとき、その人が自分のことを強く思っているからだと考えられていました。 源氏物語にも、「あなたが夢に出てきたので、私のことが好きなんでしょう」と言い寄る場面があります。 今から考えれば何とも身勝手な解釈です。 自分の脳の中での起こる現象で、夢を見た本人がその人のことを気にしているからというのが現在の常識です。

コペルニクスが「地球が太陽の周りを回っている」と言い出すまでは、誰もが「自分の立っている地面はじっとしていて天空が回っている」と考えていました。 これも全人類が陥った自己中心的間違いです。

インターナショナル(国際的)とグローバル(世界的)というよく似た言葉があります。 インターナショナルは国際社会の一員としてという語感がありますが、グローバルは自分の価値観を世界規模に広げる支配的な語感があり個人的には好きではありません。

人はどうしても自分中心(若者言葉ではジコチュウというのでしょうか)に考えてしまいがちです。 自分の視点や体験は、自分に付いてまわるから仕方のないことですが、できるだけ多面的な見方をするように心がけたいものです。
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