ずれ具合


4ヶ月前にバイトに入れた女の子

明るい子だし
よく気が利くし
よく働いてくれる

雇い主としては言うことはない



・・・少し何かがずれている気がしないでもないが・・・



それは気にしないとして

さて

今日はどんな話をしてくれるのかな?






「ヒマです!」

ただ今の時刻は午前10時
普通どんな店でも客が来なくて暇な時間帯だ

まぁ、彼女曰く

『この店、昼でもほんっと!!静かですよね。』

・・・だそうだが・・・

「今はどんな店でも客が来なくて暇な時間帯だと思うが?」

「そりゃ〜、そーですけど・・・。」

「じゃあ、問題はないんじゃないか?」

「・・・だって!だって!マスター全然かまってくれないんだもん!!」

確かにもうすぐ某検定試験が控えているので
暇なときにやるべきだろうと思い
本など少し読んでいる

「もうすぐ試験なの知ってるだろ?」


「でも、今ごろレタリング技能検定なんて受けて何するつもりなんですか!?」


「・・・さぁ?」



実は学生の頃からちょっとした検定好きで

英検○級、漢検○級、電卓技能検定○級、
ラジオ・音響検定○級、時刻表検定○級、色彩検定○級、
中国語検定○級、秘書検定○級、海外旅行地理検定○級、
・・・・・・

まぁ、こんな感じで色々受けているのである



「なんて言うか・・・趣味だし・・・。」

「勉強なんてやめましょ〜よ〜!!あ、そだ!」



・・・嫌な予感が・・・



「ババ抜きしましょ♪」

「はぁ?」

「負けたら1つ相手の言うこと聞くってことで〜♪」

「なぜ!?」



***




「う〜ん・・・こっちかな?・・・えい!えっと・・・やったー!私の勝ち〜♪」

「・・・2人でババ抜きして何が楽しいんだ・・・。」

「マスター、約束ですからお願い聞いてください!」

「私、約束したっけ・・・?」

「気にしない気にしない♪」

・・・納得いかないんだが・・・

「はぁ・・・まぁいい。で、何?」

「私を口説いてくださいvv」

「・・・はぁ!!??」

さっきから『はぁ』ばっかり言ってる気がする

「マスター、そこらの男よりよっぽどかっこいいしvv
そ・れ・に
美男から口説かれる!
あぁ!
これぞ乙女の夢ーーーvvv」

「私、女なんですけど・・・一応。」


・・・『一応』の部分が悲しい・・・


「マスタ〜vvお願い〜vv」

「うっ・・・くそ〜、わかったよ!!(やけくそ)」

「やたvじゃあ、さん、はい!」

「・・・す、好きです?」

「ちっが〜う!
もっと、その辺の男が言ったら鳥肌立つくらいキザな台詞でしてください!!」

「キ、気障!?」

「はいvvめっちゃ芝居がかった感じでvv」

「・・・・・・・・・。」

「さん、はい♪」


「・・・・・・気高き薔薇よりも美しき人よ、
どうか私の言葉にその花弁のような耳を傾けてはもらえないだろうか?」


「きゃ〜vv」


「・・・君は犯罪者だ。その美しい瞳で僕の心を盗んだ。
しかし誰もが世の美を超越した君を見てその罪を許すだろう。
そして誰もが心を盗まれた私の方を避難するに違いない。」


「いやんvv」


「・・・君をこの腕に納めて、誰も知らないところに連れ去ってしまいそうだ。
あぁ、このままでは私は罪を犯してしまう。
あぁ!
どうかどうか、この醜い私の愛を受け入れてはもらえないだろうか・・・?」


「あぁん、マスター!もうどうにでもして〜vvv」



「ぎゃぁぁああああああ!!!くんなぁぁあああああ!!」







この追いかけっこは

12時半に野中さんがチョコレートケーキを持参で

お昼を食べに来てくれるまで続いた







そして私は考えを改める


彼女は少し何かがずれているんじゃない




『かなり大幅に全部ずれているのだ』












みなみ
2003年02月02日(日) 12時43分04秒 公開
■この作品の著作権はみなみさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まぁ・・・見てのとおり『食器代』の続きみたいなもんです。
何を書きたかったのか途中で忘れてしまって、こんなんになっちゃいました。(^^ゞ
毎回話しに出てくる「野中さん」何者なんでしょう?(笑)

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