クレーメルメモリー「水」〜アクアマリンの願い〜
〜あらすじ〜
晶霊達がそれぞれの過去を語りはじめる・・・
最初はイフリート、次は・・・?
ウンディーネ「せっかくイフリートが話してくれたのですから、
私も少しお話しましょうか」
イフリート「ん?あ、いや、別に俺はそういうつもりで・・・」
ウ「いいえ、私達晶霊も彼らと同じく『仲間』なのです、
ですから、もっと自分の事を良く知ってもらうと言うことは
大切な事だと思いますよ」
セルシウス「それは・・・ウンディーネの言う通りね」
ウ「ありがとうセルシウス。では私の過去を・・・」
シルフ「でもさー、ウンディーネは昔から今のままだよね〜」
ウ「おやおや、そんなことはありませんよ。シルフ」
ノ「そうだよ〜、ウンディーネしゃんはね〜
昔は、もう少し〜 感情の起伏が激しかったんだよね〜」
シ「うっそだ〜!!ウンディーネ、昔から落ち着いてたよ!」
ノ「シルフは〜、甘いのね〜」
シ「なんだと〜!!」
ウ「二人とも、喧嘩はいけませんよ」
シ「だってさ〜!」
ウ「いいえ、ノームの言う通りなのですよ。
それをこれからお話しましょう・・・」
あれは・・・そうですね・・・メルニクス文明中世期でしたでしょうか・・・
私の元に・・・重度の傷を負った若者を連れた一人の女性がやって来ました。
???「清澄なる水の流れを司りしウンディーネ様であらせられますね!!」
不思議な女性でした・・・
私はいつものように水そのものと同化しておりましたから、
普通の人間に私の姿を捉えることなどできないハズなのですが・・・。
ウ「どんな力を使って私の姿を捉えているのか分かりませんが・・・
ええ、そうです。私がウンディーネです」
???「私の名はエミリアと申します。お願いですウンディーネ様!
この人を・・・この人をお助けください!!」
若者「う・・・うう・・・」
ウ「私がどのような存在か分かっていての発言ですか?」
エミリア「・・・それは重々承知しております。本来、晶霊である貴方様が、
人間如きの前にその姿を現しになられる
だけでも滅多にないこと・・・しかしそれでも、
貴方様だからこそ!!
お願いいたします!!この人を助けて下さい!!」
ウ「一つだけ聞きましょう。なぜ私の姿が見えたのですか?」
エ「私にも・・・よく分かりません。。
ただ、昔から私には普通の人が見えない何かが見えてしまうんです。
妖精や・・・晶霊や・・・貴方様、大晶霊や・・・」
そういえば聞いたことがあることを思い出しました。人間の中で、
常人には見えない・・・精神的なもの、つまりバテンカイトス的なものを
見る、あるいは捉えることができる目を持つ者がいる・・・ことを。
さらにその目は、
心が本当に純真で綺麗な者にしか持つことができないことを・・・。
ウ「分かりました、貴方の心の清澄さは、その目が証明していますし、
さあ、その者をこちらへ」
エ「ありがとうございます!!この御恩は必ずお返しいたします!!」
エミリアが若者をウンディーネの方へ渡すと、
若者は水の泡に包まれ静かに・・・安からに癒されていく・・・。
ウ「瞬時に癒す事も可能ですが、それでは本来の自然治癒の
役割に反してしまいますからね、あえてゆるりと癒すことにしました」
エ「はい!パッと回復しては、ありがたみもありませんしね!!」
ウ「ふふっ、そうですね。・・・時間もあるようですし、
少しお話でもいたしましょうか?」
エ「大晶霊様とお話ができるなんて・・・!!こちらこそ喜んで!!」
私も人間と語り合うなんて滅多にないことでしたし、
彼女もとても喜んでくれて。
ウ「あの若者は?」
エ「さあ?どこのどなたなんでしょうね?」
ウ「えっ!・・・貴方・・・それも知らずに?」
エ「あ・・・はい・・・いや・・・森の方で傷だらけで倒れてたの発見して・・・
ここからじゃ町へ向かうには遠いだろうと思って・・・
それからここへ来て・・・うーん、、あんまり深く考えずに
ここまできちゃったんだけど・・・やっぱりマズかったでしょうか?」
ウ「い、いや・・・私に問われても返答に悩むのですが・・・」
話て見ても最初の印象通りの女性でしたね、
不思議の一言・・・。初対面そして大晶霊たる私に、平気で話し掛けてくる・・・
エ「でもね、ウンディーネ様」
ウ「はい」
エ「困ってたり、傷ついてたりすると見つけたら「助けてあげよう!」って
思うのって当然じゃないですか♪」
ウ「ええ、人はそうあるべきなんでしょうね」
エ「はい!、私、そういうの絶対黙って見てられない性分なんです!!」
ウ「ふふっ、貴方らしいわね」
エ「さっすがウンディーネ様・・・はじめて会った私の事を
そこまでお見抜きになられるなんてっ!」
ウ「貴方が分かりやすい人なんですよ♪」
エ「あははっ!そっか〜!!」
清澄・・・彼女には、とてもお似合いの言葉でした・・・
その流れを司る私なんかよりも・・・ずっと・・・。
若者「う・・・うう・・・ふぅ・・・」
エ「あっ!!息が!、ウンディーネ様、この方、息が整ってきました!!」
ウ「ええ、もう大丈夫。エミリア、もうしわけありませんが。
もう少し経ったら、この者の意識が目覚める前に
ここを立ち去って欲しいのです・・・ごめんなさいね・・・
そうそう知られるわけにはいかないのです、私と言う存在は」
エ「いいえ!とんでもありません!!
ウンディーネ様に助けて頂いただけでも十分過ぎるほど!!
それに私のような者と話までして頂いて・・・」
ウ「いえ、私の方こそ楽しませて頂きましたよ
お礼・・・と言ってはなんですが、貴方にこれを差し上げましょう」
ウンディーネが手をかざすと、それにまるで引っ張られるように
水が舞い上がり、再び元の場所に還った・・・その後に一つの指輪が残っていた。
ウ「アクアマリンの指輪です。
これはそのまま指輪として使ってもらって結構ですし、それと
この指輪には願ったものの願いを一つだけかなえることができます。
もちろん、私が認めた使用者かつ私の力の及ぶ範囲の願い事ですが」
エ「そ、そんな大層なモノ、私、頂けません!!」
ウ「私、大晶霊たってのお願いでも・・・ですか?」
エ「ウ、ウンディーネ様、それは反則ですよ〜!!」
ウ「なら♪ 受け取ってくださいね」
エ「ウンディーネ様・・・ありがとうございます!!一生の宝物にします!!」
そう言って彼女は若者を連れ・・・と言ってもいくらなんでも女性の力では・・・
遠い町まで若者を連れて辿り付くのは難儀でしょうから、
私の力で町の近くを流れてる川まででしたが、送ってあげました。
イ「なんだ、良い話じゃねえか」
ノ「も〜う 人の話は〜 最後まで〜 黙っ〜て 聞く〜」
イ「う、うるせえよ!」
セ「ノームの言う通りよ、黙ってなさい」
イ「・・・・・・はい」
ウ「確かに・・・もし話がここで終わっていたならば・・・良い話で済んで
いたでしょうにね・・・」
続くっ!
補足
☆オリジナルキャラ☆
エミリア・マーキング 16歳
ウンディーネが棲んでいた場所のふもとの町の道具屋の娘。
薬草の材料を探しに森に来ていた所、生き倒れになっていた若者を見つけ
ウンディーネに助けを求めに行ったのが、この物語のきっかけとなる。
性格は明るく天真爛漫、ウンディーネ曰く清澄たる心の持ち主。
人が困っていたり傷ついていたりするのが黙って見過ごせないタイプ。
普通の人間には見えないモノが見えるセカンド・アイズの持ち主
☆オリジナル能力☆
セカンド・アイズ
直訳すると第2の目、そのままである。(笑)
物語中でも説明されたように、妖精や精霊・晶霊の姿を見る力が
一般的解釈であろう。普段はウンディーネだったら水、
イフリートだったら炎と同化していて人間には見えないのだが、
セカンド・アイズを持つ者は、その姿を捉えることができる。
モノの本質を見極める力と言っても過言ではないだろう。
フィブリルのように一種の才能・・・と言うわけではないらしい、
どちらかと言えば人の潜在能力の一つ、と言った所であろうか。
エラーラの意思疎通能力の同種類と思ってもらっても一応、構わない。
ちなみにセカンド・アイズを持つ者は、全員「蒼目」
全員と言っても彼女以外出す予定は全く無いが・・・(汗)
元ネタは某年ガンガンに連載していた浪○倶楽部。大好きなんスよっ!(笑)
☆アクアマリンの指輪☆
ファンタジアのウンディーネ契約時に必要なものと同じ言葉ですね。
これと同じものと受け取ってもらっても物語上、支障は無いです。
以前のお話のイフリートの「フランベルジュ」も
別名「炎の剣」でも構わなかったりします。
今回の効果は、ウンディーネが認めて授けた者の願いを一つだけかなえる
(ウンディーネの力が及ぶ範囲の願い)ことができる能力持ち。
遊人
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■作者からのメッセージ
と言うわけで第2段はウンディーネ編。
前回をお読みになられた方はお分かりでしょうが、
このシリーズ、一連の共通の物語の流れが存在します。
まぁ、こうしてしまうと、物語の展開がもろバレ(笑)になってしまうんですけど、
こういう書き方もしてみたいなぁと思ったので。
オリキャラも結構好き勝手書いてますねえ・・・(爆)