クレーメルメモリー「水」〜アクアマリンの願い〜後編
ちなみに姉は かとり○と ですね。なんて一家だ・・・(笑)
って、違〜う!!・・・つい調子にのってしまった・・・。では本編へ♪
♪は・・・絶対に場違いな話なんだけどな・・・。
シルフ「えっ、どういうこと?」
ウンディーネ「その若者は、とある亡国の王子だったのです・・・」
彼女は・・・エミリアはそれを知ると悩みました・・・。
亡国の王子をかくまっているとなれば、それは国際問題にも関わります。
考えた末、彼女は自分達の国の王の元へこの事を伝える事を決意しました。
彼女が決意した理由は、この国の王は、優しくそして勇敢でもあり、
とても民に好かれる良識ある王であったからと言うことと。
自分のしている行為が決してやましいことでなく、
人として当然の事だと言う彼女の強い意志からでした。
王は彼女の勇気と優しさに強く感動し、
彼女に、「私の名において、この国で彼をかくまおう」と、約束しました。
それから少しの間、彼女らに幸福な時間が訪れます。
互いに惹かれあう二人・・・けれど、幸せな時は長くは続きませんでした・・・。
そう・・・王子の国を滅ぼした軍事大国が、王家最後の生き残りである王子を
ずっと探索し続けていて・・・
ついにこの国にいることが判明してしまったのです。
そして大国は、エミリアの国の王に通告してきました。
「王子を渡せ、もし渡さなければ、この国を滅ぼす」
しかし、王はそんな脅しに屈せず、
兵を率いて勇敢に強国に立ち向かいました。
けれど・・・、相手は強大な軍事大国・・・、
長い間中立国を貫いていた、この国の
兵力では・・・多勢に無勢・・・戦局はじょじょに傾き・・・・・・。
王子は言います。
「私を彼らに差し出して下さい!!そうすればこの国は救われます!!」
王は答えます。
「我らが間違ったことをしていると言うのか?
奴らと・・・君を助けたエミリア、どちらが正しいか、
比べるまでもない・・・私は正しき道を歩んでいるだけだよ」
王の言葉に涙する王子・・・そんな場面とは裏腹に、
国はどんどん荒れていきます・・・。
人々の心は乱れ・・・荒み・・・・・・その結果・・・王が・・・暗殺されました・・・。
私の心は、少しずつ・・・怒りに満ちて行っていました・・・。
なぜ、心清きものが傷つかねばならぬ?なぜ、正しき者が?
その時まで私自身も気付いていませんでした・・・
自分がこんなに感情的な存在であったことを・・・。
そして国の情勢は一変しました・・・「王子を差し出して我らは助かろう!!」
今までそんな事を口にしなかった者も、王の死により・・・本心を現し・・・。
狙われる王子・・・城から脱出し行く宛もなく彷徨う・・・そこへ、
エミリア「こっちです!! アレス王子!!」
アレス「エミリア!どうして!?」
エ「そんなこと決まってるじゃないですか!あなたを・・・助けたいから!」
ア「・・・エミリア・・・すまない・・・僕のせいで・・・」
エ「違います!!・・・これしかいえないけど・・・行きましょっ!」
逃げ続ける二人・・・だが・・・。
平民A「もう逃げられんぞ」
エ「どうして!?どうしてなの!?今までずっと、
この人と仲良くやって来れたじゃない!?」
平民B「状況を考えろエミリア、こいつを差し出さなきゃ俺らが滅びちまう」
平民C「それとも、アンタ、
この国が滅びてもいいって思ってんじゃないだろうね?」
エ「そ・・・そんなこと思うわけないじゃない!!」
平民A「だったら話は早いだろ?、さあ、ソイツを渡せ!!」
エ「嫌っ!!」
平民B「嫌なら・・・おまえを・・・殺してでもソイツを連れていく!!
エ「!?・・・どうして・・・そんな事が平気で・・・言えるの・・・?」
平民C「そうしなきゃ、アタシ達が殺されちまうからさ」
エ「!!・・・・・・」
ア「エミリア!!・・・もういい・・・もう・・・いいんだ」
エ「アレス・・・王子?」
ア「君に助けられた事、本当に感謝している。
今までありがとう、僕は・・・行くよ」
エ「なんで・・・そんなこと言うんですか・・・?
せっかく・・・ここまで一緒に来たのに・・・」
ア「エミリア、この人達を責めちゃダメだよ、生きようとする意志・・・
それはとても大切な事だ、人にはそれぞれの立場と言うものがある
僕は僕の役目をまっとうしよう・・・」
エ「・・・アレス・・・」
兵士A「いたぞ!!平民どもが取り囲んでいる!!」
兵士B「よしっ!所詮、平民の2〜3人、構わずまとめて殺っちまえ!!」
平民C「な、何を言ってんだい!?話が違うじゃないか!!!」
兵士C「知るかよっ!どうせみんな殺されちまうんだ、早いか遅いか・・・
それだけだろっ!」
平民A「だ・・・騙されていたのか・・・俺達・・・」
平民B「そ、そんな・・・どうすりゃいいんだっ!???」
ア「僕が奴らをひき付けます、貴方達はその隙に逃げてください、
エミリア、君もだ」
エ「アレス!?」
平民C「あんた・・・アタシ達は、あんたを・・・」
ア「いったハズです、人それぞれの立場があると、
貴方達は貴方達の方法で、この国を救おうとした・・・それだけです」
エ「ダメっ!アレスっ!行っちゃダメ!!」
ア「エミリア、生きて、生きて・・・生き残るんだ
君の清澄なる心は必ず多くの人間に伝わり・・・そして救うことになる、
絶やしてはいけない・・・。そして・・・ウンディーネ様にもよろしくと」
エ「えっ!?」
ア「黙っててごめんね。僕にも君と同じセカンドアイズがあったのさ、
・・・じゃあ・・・必ず生きるんだっ!!」
そう言うとアレスは剣を抜き・・・
数百にも及ぶ敵の中心に突っ込んで言った・・・
何もできなかった・・・
この国も彼を救う事も・・・彼に自分の想いを伝える事も・・・。
そして国は滅び多くの人間が殺され・・・大国の一部となりました・・・。
あの時のエミリアの心の叫びは、
アクアマリンの指輪を通して・・・私に伝わり・・・。
私の怒りは・・・これほどにないまで高まっていました・・・。
愚かなる人間達・・・。みずからの手でみずからを裁けないなら・・・
この大晶霊たる私が・・・!!
水・・・特に清澄たる水は如実に人の心を映し出す鏡・・・
それは大晶霊であり水そのものである私にもいえること・・・
私の心の憎悪と共に・・・水は・・・人を裁く毒水となりました・・・。
水は川を伝い・・・それを飲んだ帝国の人間達は、
ことごとく死に至る病を持つ・・・
そう、その心が醜ければ醜いほど・・・その効果は強い・・・!
数日も経たぬ内に、栄華を誇った大国も滅びました・・・。
私自身・・・私の中の怒りに驚きましたが・・・当然の仕打ちであろう。
そう解釈していました。
そんな所に私の前に姿を現したのが・・・あのエミリアだったのです・・・。
エ「清澄なる流れを司りしウンディーネ様・・・」
ウ「エミリア!!生きていたのですね!!」
エ「はい・・・」
ウ「安心しなさいエミリア、全ては私の裁きの元に・・・」
エ「もうしわけありません・・・・・・」
ウ「エミリア・・・?」
エ「私達・・・人間のせいで・・・貴方の・・・清澄たる水を汚してしまい・・・」
ウ「何を言っているのです!?」
エ「それなのに・・・どうしてこんなことを貴方様に言おうとしているのか
自分でもよく分かりません。けれど・・・」
ウ「けれど・・・?」
エ「ウンディーネ様、人を・・・人を信じてください、
人間は確かに愚かな生き物・・・
けれどそれを正す力がきっとあるハズなんです!!」
ウ「・・・その力も・・・より強大な愚かな力によって滅ぼされる・・・
それは貴方が身を持って実感したハズです」
エ「ならば、なぜ私は生きているのです?」
ウ「そ・・・それは・・・」
エ「それは、
人間が人間を正そうとする力が働いているからではないでしょうか?」
ウ「確かに・・・、
ですがそれでも今回の人の行為が許されるものではありません」
エ「貴方様に授かりし、アクアマリンの指輪・・・今こそ、その願いを・・・」
ウ「何を願うのです?」
エ「私の願いは、再び清澄たる水の流れを・・・そしてウンディーネ様に
人を見守り続けていただくこと」
ウ「なぜ・・・貴方はそこまで・・・」
エ「人が好きだから、愚かで自分達で傷つけあって醜い・・・けど、
それでも信じているから、人の可能性を」
ウ「・・・貴方と言う人は・・・けれど、今の私が再びその流れを取り戻す事は・・・
言いましたよね?その指輪の力は私の力に比例すると
そして貴方は言いましたね?今の私の流れは汚れていると・・・」
エ「はい」
ウ「ならば一体・・・」
エ「ウンディーネ様は言いました、私は清澄たる心の持ち主だと」
ウ「ええ、それは今も変わりありません、寧ろ・・・高まったくらい・・・」
エ「ですから、この指輪の願い、そして・・・」
ウ「そして・・・?」
エ「私の心・・・命をかけます」
ウ「・・・えっ!?」
エ「清澄たる流れを司りものよ・・・
汝の汚れ、我が心命により浄化されたまえ・・・」
エ「さようなら、ウンディーネ様・・・ぐっ!!」
まるで天使のような笑顔でそう言うと彼女は・・・
もっていたナイフで自らの心臓を・・・「ズンッ!!」・・・・・・
彼女はそのまま・・・水の中へ・・・。
ウンディーネ「・・・エミリア!!エミリア!!」
私はすぐ彼女を水の中から助け出し、癒しの力を使いました・・・しかし・・・
この水の大晶霊たる我が癒しの水を持ってしても・・・彼女は・・・
息を引き返すことはありませんでした・・・。
セルシウス「ウソ・・・でしょ・・・ウンディーネ・・・
生命の源たる水の癒しそのものである
貴方の力でも!?そんなバカな!!」
ウ「この私の力の及ばないほど彼女の意志は強かった・・・と言うこです
イフリートの言う底力、私も信じています、でも、あの時だけは・・・
信じたくなかった・・・今でもそう想っています」
なぜ、あの時、もっと彼女らの気持ちを・・・と今でも後悔しています。
彼女は・・・セカンドアイズを持ったがために・・・私と出会ってしまい・・・
そして戦争で多くの憎しみや恨み・・・
醜い心をじかに見てしまっていたハズです・・・
アレス王子も・・・セカンドアイズを持ち、
はじめから私の存在を捉えていたのです、気高き王の心を、
痛いほど感謝の気持ちを感じ・・・そして自分のせいで滅びる国を・・・
それでも彼女らは人を信じ抜いた・・・
私は・・・そんな彼女らの意志を無視して力を振るった・・・
その結果・・・エミリアを・・・私なんかよりもずっと清澄たる存在だった
エミリアを死なせてしまった・・・。
それから私は、自らの感情の波を押さえつけ、
誰にでも、常に暖かく優しく・・・接する事
そうエミリアのように生きていくことを誓いました。
セ「そう・・・でも、でもさ それじゃウンディーネがあんまりにも・・・」
イ「ああ、そんな感情の束縛・・・辛く・・・ないか?
俺は・・・感情的過ぎるけどよ・・・それでも・・・」
ウ「二人とも心配してくれてありがとう、でもね、
そんなイフリートやみんなのおかげで今の私が保てているのです」
ヴォルト「ドウイウ・・・コトダ?」
ウ「あの子達を見てみるのです、
一人一人がそれぞれの立場でそれぞれを助け合っている・・・
お互いの良い所を生かしあい、お互いの足りない部分を補う
それは我々とて同じことではないでしょうか?
私が感情的で無い分、イフリートが補ってくれる・・・
私が喧嘩をしない分、セルシウスとイフリートが・・・」
セルシウス「ちょ!誰がこんな奴と!」
イ「こんな奴って!!」
ウ「ふふっ、これもエミリアに教わった『人を信じる』ことから
得たことなのです・・・」
シ「だったら、今はちゃ〜んと清澄たる水だよねっ♪」
ウ「いいえ、まだまだ今の私は
エミリアの願い「アクアマリンの指輪」の力に
頼っている部分があります・・・ですが、
いつか私が真に清澄たる水の流れを司るようになった時・・・
この指輪はエミリアと・・・アレス王子の元へ・・・贈りましょう・・・」
私から彼女らへのせめてものたむけ・・・ウェディングリングとして・・・。
遊人
http://www5.ocn.ne.jp/~ingaku/
■この作品の著作権は遊人さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
思いっきり乱文だなあ・・・(汗)う〜ん、今回は文章力の
足りなさを
思い知らされた作品となってしまいました。(笑)
伝えたい事は全部書いたと思うのですが・・・どうでしょうねえ?
ちなみに裏設定として、ここからアクアマリンの宝石言葉
「沈着、勇敢、聡明」が誕生し、その後、ウンディーネが
二人にウェディングリングを贈ったことから。
ウンディーネ→水→雨→6月→6月の花嫁ジューンブライド
と言われるようになったと言う設定が♪
それがあってどうなるってもんでもありませんが・・・(笑)
好きなんですよね、こういう設定。