過去の戒め・未来への希望
第1話・声に導かれし者 (ヤルノ視点)

ヤルノ「これで・・何人目だっけ・・」

家を出てから3日が経った
その間出会った回数計10回・・
まぁ、それだけ治安が乱れてるってことだね
ローグ1「さっきから話をきいてんのか!?さっさと有り金をよこせっ!!」
ヤルノ「何で僕が君達にあげなくちゃいけないんですか?」
ローグ2「・・な・・!?;」
ヤルノ「それじゃあ僕は先を急ぎますのでこれで。」
ローグ3「ああ、気をつけてな・・・って、違うだろっ!!」

ザシュッ

ヤルノ「・・・・・・。」
ナイフが僕の近くの木に刺さる。どうやら威嚇のつもりみたいだ
ローグ1「へへっビビッてるぜコイツ!」
ローグ2「俺らを怒らせたんだ。これくらい当然だな」

ヤルノ「戦いは好きじゃないですけど・・・仕方ないですね。」
ローグ3「おっ!!やるか〜?」
ヤルノ「・・・黙れ。」
ローグ3「何・・!?」
ヤルノ「お前らに俺の邪魔はさせない!!」

ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヤルノ「さて・・また変なところで時間くっちゃたな〜・・早くバロールに向かおうっと」

とりあえず今の目的地はバロール。
バロールだったらいろんな人がいるし・・
あ、そういえば風昌霊の空洞も近いらしいから場所がわかるかもしれない
それに・・行かなきゃって。何だかそんな気がしてた


草原を抜けて道に出る。
大分バロールに近くなってきた。

ヤルノ「(今日はどうやら宿で泊まれるみたいだ♪)」

少し歩いてたら前方に人が見えた

遠目で見てるからよくわかんないけど
背中にしょっている大きい剣から見るに冒険者みたいだ

ヤルノ「(あの人もこの道を行くってことは目的地はバロールかな?・・・あっ!!)」

その人の背後の木からモンスターが5匹も飛び出してきた。

ヤルノ「危ないっ!!」

????「!黒風っ!!」

ざしゅっ!!

ヤルノ「・・・へ?」
僕が槍を構えその場に着いたときにはモンスターはすでに倒れていた
????「5匹も一気に背後だなんて・・あ、貴方のおかげで助かりました」
ヤルノ「い、いえ;」


バロールの酒場―――――――

御礼がしたいといわれて(何もやってないのに;)
バロールの酒場に僕達は入った

????「へぇ・・声ですか・・」
ヤルノ「まぁ、それもあるんですが」
????「・・・・・・・」

旅の理由を聞かれ、とっさにそう答えた。
能力の事は言わなかった・・だって初対面だし・・
・・そんな事で言わなかったわけじゃない
僕は恐れてるんだ・・

恐れられる事を恐れているんだ・・

????「あ、いいですよ無理に言わなくて。僕こそ初対面なのに失礼でした;」
ヤルノ「い、いえ;;・・・えっと・・」
????「あ;すみません、自己紹介がまだでしたよね。僕は“アルエス・N・ジェード”です」
ヤルノ「僕はヤルノ=アルボレートです。あ、アルエスさんの方は何で旅に?」
アルエス「・・僕、何歳に見えます?」
ヤルノ「・・え?え・・と;・・18くらいですか?」
アルエス「・・そうですか・・」
ヤルノ「・・え・・・と;(何かまずかったかなぁ;)あの・・;」
アルエス「あ、答えはないです」
ヤルノ「はい?」
アルエス「僕自身にも解らないんですよね・・なんか人より年をとるのは遅いみたいで・・;」
ヤルノ「そうですか・・(この人も・・)」

この人も、その生まれ持っての力で周りの目から避けてきたのだろうか・・?
それよりも・・
この人は僕に話してくれたんだ・・
怖がられるとか思ってないのかな・・?

アルエス「そういえば・・さっき貴方、声って言いましたよね?」
ヤルノ「あ、はい。女の人の声で・・」
アルエス「・・じゃあ僕と同じかも・・」
ヤルノ「えっ!?」
アルエス「一度だけ聞こえたんです・・」
ヤルノ「(やっぱり気のせいじゃない!!)」

しかしその声の主は誰なんだろう・・
何の為に僕達を呼んだんだろう・・
考えてもそれらしい答えは特に出なかった。

でもこうして同じ声が聞こえる人と出会えたんだ。
旅は道ずれって言うし、アルエスさんはいい人だし、
だから一緒に探す事になった

アルエス「これからどうしますか?貴方は風昌霊の空洞に行きたいんですよね?」
ヤルノ「そうですけど・・何だかここで待ってなきゃいけない気がするんです。」
アルエス「・・・そうですね、僕も来なきゃいけない気がしてここを目指してたんですから。」

他にも僕達のように声が聞こえてる人がいるのだろうか・・

・・それにしても

ヤルノ「・・?さっきから向こう、異様に騒がしくないですか?」
アルエス「そう言われてみれば・・」
ヤルノ「ちょっと見てきます」

普段はそんな顔を突っ込んだりしないのに
何故だか今はすごく気になった。

人をかき分け、騒ぎの中心を覗く。



そこには―――――・・


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