クレーメルメモリー「火」〜フランベルジュの誓い〜後編
セルシウス「そんなことがあったんだ・・・・・・で、その人との再戦は?」
イフリート「おう・・・・・・月日は過ぎて10年後・・・」
ラティ「イフリート!、再戦しにきたぜ!!」
10年と言う長い月日だったが・・・
アイツはちゃんと約束を守って帰ってきた。
しかし・・・。
ラ「おーい!イフリート!!ったく・・・人がせっかく再戦しに・・・
って、なんだいるじゃねえか? オイ、イフリート?」
イフリート「ウ・・・ガガガガ・・・ウガアア!!!」
ラ「!!」
アイツが修行の旅に出ていって、
すぐだったな・・・極光戦争がはじまったのは・・・
最初は、ただ自分の気分が優れてないだけだと思った・・・
だが、確実にソレはオレの身体を蝕んでいたんだ・・・・・・。
ラ「どうしてしまったんだ!?、イフリート!!」
イ「・・・コロ・・・ス」
ラ「!?、しっかりしろ!!どうした!?」
戦争は人の心を荒ませ・・・怒りを殺気を放たせるようになる・・・。
オレ達、晶霊は、精神界での影響をモロに受けちまうからな・・・
オレは、人間の殺気や怒りを少しでも己に取り込んで、人間界の争いを
少しでも無くすようにやり続けてみたんだが・・・半端じゃなかった・・・。
オレはそのあまりの負の感情にやられちまったのさ・・・
イ「フィアフルフレアァァアア!!!」
ラ「くっ!、目を覚ませ!!イフリート!!
うおおっ!!、魔神千烈破!!」
アイツは確かに強くなっていた、10年前とは比べ物にならないほど・・・
だが・・・全力を出した晶霊に・・・生身の人間が適うと思うか?
・・・アイツはそれを知ってた・・・でも、再戦を申し込んだ。
それがアイツなんだ、
そしてオレはアイツの目標に一生なってやるつもりだったんだ。
ラ「・・・くっ!
分かるぜ・・・アンタの一撃一撃が・・・「苦しい」って伝わる・・・
待ってろ・・・俺が助けてやる・・・このアンタのフランベルジュで!!」
イ「バーニングブレイク!!」
ラ「猛虎連撃破!!」
二つの炎がぶつかり合う!!
ラ「まだまだっ!!、舞う! 鳳凰天駆!!」
イ「エクス・・・プロードォォオオオ!!!」
ラ「ぐああああああ・・・はあはあ・・・痛っ・・・」
火そのものである、オレにアイツは火の技で応えてくれた・・・。
その瞬間・・・アイツの想いに触れた時、オレの意志だけなんとか戻っていた。
イ「・・・ウ・・ウ、ラ・・・ティ」
ラ「くっ・・・イ、イフリート!!」
イ「ナン・・・とか、オレが自分の体を抑える・・・
その隙に、オレを斬れ・・・我が分身たるフランベルジュと
今のおまえの強さがあればできるハズだ・・・」
ラ「バカ野郎!!、そんなことできるわけないだろ!!」
イ「やれ!、ヤラねば・・・俺はオマエを殺し・・・他の人間ヲモ・・・」
ラ「俺はアンタに再戦を挑みにきたんだ!!、あの時と同様
正々堂々、一対一で!」
イ「ありがとよ・・・でも・・・」
ラ「強さを求める者が弱気になったり諦めたりしちゃダメだろ!!
やってやる・・・俺が俺の力でアンタを助けて見せる!!」
イ「何を・・・スル気ダ・・・?」
ラ「アンタは人間に・・・世界に必要な存在なんだよ!!、
俺みたいな異端児と違ってな、アンタにはやるべきことがある!」
イ「おまえ!?」
ラ「フランベルジュよ・・・猛き炎の化身の剣!!
我が身、汝の身となり、我が生命・・・汝が炎と化す!!」
アイツは・・・己の肉体を焼き・・・
自らの生命を火種とし・・・炎と化しフランベルジュと同化したんだ・・・。
ラ「行くぞフランベルジュよ!!」
それは通常の現実の会話ではなく、
通常は晶霊のみがすることのできる心の会話だった・・・。
そして、アイツはオレに・・・オレの炎に挑みに来た。
イ「・・・バカ野郎はオマエだ・・・自らのを炎に転化するなんて・・・
なぜだ!なぜそこまで・・・。」
ラ「アンタは認めてくれた・・・異端児と呼ばれ続けて来た俺のことを
俺以外の人間のことも少しでも認めてくれた」
イ「ああ」
ラ「それに嬉しかった。俺と同じ考えを持つ者がいて、それが
俺達を見守っている大晶霊だなんて」
イ「ああ・・・」
ラ「だからアンタはここで人間を見守り続けて欲しい、
俺は・・・ちょっとアンタとまた戦うことはできそうにないけど、
人間もさ、俺見たいな奴がきっとでてくると思うからさ、
ここで待っていて欲しい、アンタを倒すくらいの奴が来るのを」
イ「・・・人間を守・・・オレの心も読んだのか?」
ラ「まぁ・・・、今の俺自身、アンタの炎みたいなもんだからな、
人は、兵器に頼り、己自身の肉体の強さ、
・・・そして心の強さを失っている。
そして・・・我を失い他者を傷つけることで、
己の強さを認識する・・・かりそめのものをな。
でも、信じてくれ、きっと人はその過ちに気付くから。」
イ「信じるさ、オマエを見れば分かる、おまえは、強い・・・
身体も・・・心も・・・」
ラ「・・・ありがとう。見ててくれ、俺の最後の「強さ」を!!」
イ「・・・・・・我が目に永遠に焼き付けようぞ!!」
ラ「うおおおおおおおお!!! 緋王・絶炎衛!!!」
鳳凰が、炎の化身・・・いや真の生命の火と化す!!炎は、
イフリートの肉体・・・そして精神さえも浄化していく!!
そして、イフリートが発していた全ての負の気は、全て消え去り・・・。
イ「ウゴゴ・・・ウガアアア!!!!・・・・・・ううう・・・はっ!・・・ラティ!!」
ラ「・・・フランベルジュ・・・
返しておくよ・・・また俺見たいな奴が現れたら
渡してくれ・・・『誓い』だぜ・・・じゃあ」
それがアイツの最期の言葉だった・・・。ったく味気ねえよな・・・
オレもアイツも、どうも不器用だったからよ
・・・あんな別れ方しちまった・・・。
ウンディーネ「そうでしたか・・・そんなことが・・・」
イ「まあな・・・アイツには本当に感謝してる、
アイツのおかげで今のオレがあるんだからな」
シルフ「・・・その人間とのフランベルジュの誓いはどうなったの?」
イ「ああ、それなんだけどよ、人間もあの頃と比べりゃ
大分マシになったんだが、まだ現れねえなあ」
シ「あ、でもアイツは?」
イ「アイツ?、ああ、リッドか、あいつも確かに強い、
もしかしたらラティを越えるくらいになるかもしれねえ・・・けど、
リッドは、ラティとは違う、もちろんどっちが良いとかじゃない
強さを求める方向性が違うんだな」
ウ「ええ、強さと言っても様々ですからね」
シ「ふ〜ん、アレ?、セルシウス・・・泣いてない?」
シルフの声と共に全員セルシウスの方に向くと、
一筋の涙がこぼれおちているセルシウスの姿があった。
セルシウス「!!・・・バ、バカね!!泣いてなんか泣いわよ!!」
イ「・・・わりぃ・・・オレの話がマズかったか?」
セ「違うわよ!!・・・そ・・・その、いっつもバカ見たいなアンタも
何て言うの・・・その、色々あったんだなって・・・
それに・・・ちょっと見直したか・・・なんて・・・ね・・・」
イ「ホ、ホントか!!よっしゃあああああ!!!
ラティ!!俺はやったぞおおおおお!!!!
うおおおおおおおお!!!!!」
シ「この姿見たら天国で恥じてると思うよ絶対・・・
『こんな奴と命を賭してまで戦ったのかって・・・』」
ウ「ふふっ、逆ですよ」
シ「えっ?」
ウ「さっきまでの暗く真剣な表情で話す彼より、
今の彼の方がずっと彼らしいって微笑んでいると思いますよ」
シ「・・・そうだね」
イ「ラティ、今もオレは信じてるぜ、人間の底力・・・本当の強さを
そして、ずっと待ってるぜ、おまえとの約束を果たせる時を・・・」
遊人
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■作者からのメッセージ
ん〜。。かなり自分のエゴが入った作品だなあ・・・(汗)
特に練りもせず、ひらすら打ったからな・・・
とりあえず第1話♪、いかがでしたでしょうか?