2004年春「大江山で星を見る会」レポート

 去る4月24日(土)、春の「大江山で星を見る会」が行われました。前日の天候悪化の後、冬型の気圧配置と寒気の流入により典型的な天候不良が予想され開催が心配されましたが、夕方までは晴天に恵まれました。しかし、天候は安定せず雨雲が断続的に流れてきてその度に雨に見舞われる観望会としては厳しい条件でしたが、その後は夜半まで安定して季節はずれの寒さに震えながらも素晴らしい星空を堪能することが出来ました。

 渋谷さんの15cmドブ。ミードのETXの架台を動力に自動導入機に生まれ変わりました。駆動音がスカイセンサーとはまた違っていて何だかユニークに感じます。
 由良さん製作の斬新なデザインが目を引く45cmドブ「ユラ・トラス」。昨年秋に登場後、問題点を改良して再びの登場。トラス棒の振動対策を施した他、水平回転部にテンションを加える事で微風で動いてしまう欠点を克服しています。一見、変わったところがないように見えて、結構大きな加工や変更を受けているそうです。
 松本さんの32cmどぶ「アルタイア」と、その傍らにある10cm屈折望遠鏡(俗称:ライフルマウント)。黒光りする鏡筒は対天文兵器でしょうか?
 何とか参加に漕ぎ着けた28cmドブ(釜ソニアン)。多忙につき、全く手を加えていません。トラスカバーの改良とかやりたい事は山ほどあるのですが...。
 永田さん製作のC14用自動追尾形経緯台。三脚のたもとに見える木の箱は、鏡筒を架台にセットする際にそれを載せる台にもなります。あちこち工夫が感じられて面白いです。
 大江山には久々の登場、ユーハン工業の45cm自動追尾形ドブソニアン「オデッセイ」。これもスカイセンサー2000で駆動します。全重量は80kg程になるそうですが、端で見ていると何だか軽々とセッティングしていたように見えました。
 国際光器の45cmドブ。今回の参加機材では一番どっしり感のある存在だったかも知れませんね。安定感と使い勝手では流石という感じです。
 毎度お馴染み、Ninjya400(米田さん仕様)。素晴らしい星空で見せて貰ったM51は絶品でした。
 高垣さんのこきりん望遠鏡。多忙のなかを駆けつけてくださいました。稼働時間が短かったため今回は撮影が上手くいきませんでしたので、過去の画像を流用していますのでご了承下さい。
 高知から遙々来て下さいました、酒居さんの55cmドブ。今回大江山の目玉でした。これだけの大きさですから、雨の波状攻撃には苦労されたようです。
 こちらもお馴染み、篠原さんの20cm伸縮式ドブ。
 同じく篠原さんの32cmドブソニアン。いつ見ても完成度が高いなぁと感心してしまいます。収納時にはかなりコンパクトに出来ますし、折り畳み式架台やポップアップ・トラスカバーなどアイデア満載です。
 篠原さんは新たにポンセット・マウントを製作していました! モーター駆動部はビクセンの物を流用しているそうです。お話を聞いていると、いろいろ課題があるそうでポンセットは奥が深いなぁと感じさせられました。
 今回は前述のように、雨雲の通過に伴ってにわか雨が降り、気温も0度近くまで冷え込んでいたようで、観望会としては最悪のコンディションでしたが、雨が過ぎ去って現れる素晴らしい星空はそれを補って余りあるものでした。夜半を過ぎた頃のM51などはバラの花びらのような渦が肉眼ではっきり確認できるほど見え感嘆しました。しばらく観望から遠ざかっていた事もあって、本当に久々に良い空にお目にかかれて幸せでした。

 また、少々の天候悪化など苦にしない(?)パワー溢れる人達は、晴れ間が現れるまでの過ごし方をわきまえているというか、楽しんでいるようにも見えました。こういった方々のプラス思考が大江山を支えているだなと感じました。