20cm屈折双眼望遠鏡

 石川県の岡本さんの手による新鋭の20cm屈折双眼望遠鏡です。「双眼教の岡本さん」として知らない人はいないと言って良いくらい有名な方です。今年の「星をもとめて」にも参加されました。見た目のインパクト以上に驚きなのは、その動きの軽快な事でしょう。架台は「メガネのマツモト」製15cm双眼望遠鏡の物を20cm用に改造したものですが、キャスター付きで楽々移動も可能になっています。双眼望遠鏡が移動すれば、ギャラリーもぞろぞろついて行く程人集りの絶えない人気ぶりです。
 日本屈折光学製の20cmF6望遠鏡を2本入手して製作されました。屈折・反射を問わず、既に何作もの双眼望遠鏡を手掛けた岡本さんのノウハウが詰まった最新作です。
 見た目の雰囲気は「メガネのマツモト」製双眼望遠鏡とあまりかわりがないように見えます。「シュワルツを白に塗り替えた」とか「15cmなんだけど白は膨張色だから大きく見えるんだ」という冗談も聞こえてくるくらい、巨大さを感じない仕上がり。
 正面付近からのショット。「天才バカボン」に出てくるおまわりさんの目玉のようなフードがポイント。プラ段を岡本さんの恐るべき技術(?)で加工した苦心の作でもあります。
 接眼部のアップ。マツモト製EMSを使用。様々なパーツを組み合わせて重厚な雰囲気になっています。目幅調節機構が省かれている(出来ない)事で実現した望遠鏡と言えます。
 岡本さんの愛車エスティマにも余裕(?)で載せることが出来ます。荷室には望遠鏡用の台が用意されていて、ご覧のように望遠鏡が収まるように工夫されています。

 岡本さんと言えば、ドブソニアンを改造して製作した40cm反射双眼望遠鏡「Giant Eyes」が有名ですが、エスティマの限界一杯に鏡筒が積み込まれていたのが印象的でした。冗談交じりでエスティマを「倉庫代わり」に使っていたそうですが、新作の20cm双眼望遠鏡は見た目のインパクトとは裏腹に収納時のコンパクトさが最大の特徴と言えるでしょう。「Giant Eyes」の時は組み立てに30分以上は掛かっていたそうですが、新作は10分もあればセッティングまで完了してしまうくらい手軽(?)な望遠鏡になっています。屈折望遠鏡としてはアマチュア最大級の口径でありながら、組み立てや撤収の面での機動力を実現したところが素晴らしいですね。ますます双眼教信者が増えそうな魅力を持った望遠鏡です。