篠原さんのポンセットマウント

 ついに関西にも自作ポンセットマウントがお目見えしました! 関西の望遠鏡系の自作では知る人ぞ知る、篠原さんの手による物です。大江山に間に合わそうと夜なべ仕事で製作したそうです。主に会社に転がっている廃材を利用して作ったそうですが、どうして立派な作りになっているではありませんか。いかにも技術屋さんである篠原さんの、きっちりした仕事ぶりが伺える作風です。
 ポンセットマウントの全容。合板の厚みも過不足無い選択でしっかりした仕上がり。グリーンの箇所がモーターです。
 モーターのアップ。市販の赤道儀用の物を流用しているそうです。ギヤをマウント本体のゴム(黒い部分)に押しつける事で動力を伝えるというのが凄いですね。
 マウントを反対側から見たところ。前後、計3箇所にジャッキアップするように設計してあり、水平出しが可能なのがわかります。
 変な姿勢で撮影しようとしたら、親切にもご厚意でパーツをバラしてくださいました。上部のプラットフォームを支えるベアリングとモーターはアルミ角アングルで構成されています。プラットフォーム側のレール部がきっちり角度出しして取り付けられている事に注目。ポンセットマウント製作で最も難しい箇所でもあります。
 最初は右側に見える20cm伸縮ドブソニアンを積んでいましたが、試しに30cmドブソニアンに積み替えてみました。調整段階や強度不足のためか、やや不安な点もありましたが、きっちり作動していました。

 わざわざ大江山に間に合わせて作って下さるというのが嬉しいですね。かく言う私と作風とか行動パターンが似ていて、とても親近感が湧きます(笑)。ちなみに、モーターを制御するのにはトミタ製のコントローラーを使用して(メトカーフ・ガイドの要領で)追尾速度を調節して動かしているそうです。あくまでも流用して使っているので、ある程度の不具合は仕方のない事ですが、実際に覗かせて貰ったところでは、惑星などの撮影には心許ないけれど、観望では大いに見込みのある仕上がりでした。今後の発展・充実がとても楽しみです。