夜 明け方に僕は少しの寂しさをもって
空へ溶けるため
天国へ続く階段を登るような気持ちで
海岸線 あの堤防へと車を走らせる




空には無数の星と星が輝いていて
重なり合う 合わず 重なれ と思う


分散和音を落としながら片隅で星へ向かう
スペースシャトルが今
飛び立つ 飛び立ったなら
僕は首が痛くなるまで曲げ 見上げた



波 打ちよせはじけ白く泡立ち
生き物のいない 海は
眠っているのだ 復活を待って
視界を埋め尽くす広大な領域が光を照らす



そして僕は飛び立つ
堤防の先 遙かに続くような錯覚で
車に乗り
止まっていたものが動き出す
エネルギーの移動が
世界 静かな世界に一点の色を与えるように
今 煙を吐いた



視界の下を埋めつくす海 はじけて重なり合う星 輝き 音はエネルギーと共に中心から拡散していく






僕は明け方少し息苦しくなるほど洗面器に
顔を付けていた間にそれらのストーリーを考えたのだ