dr.stu.ii.n2.=不可解な夢



原色の風景の中、フィルタを通してみた夢


君の笑顔、揺れる髪
今の幸せはそこにある、そんな感覚



私は歩いていく、ああもう、君を忘れていく、褪せていく



夢

夢、

夢。



私は気が付くと君になっていた
この光に反射する白い肌は間違いなく、君のだった

安心した、褪せなかった、印象、ゆめのなか


歩く、放射線の溢れる、原野を
空襲にあったか、瓦礫の山々からはまだ
熱気や、煙のようなものが上がっていて
そのなかには、まだ大量の熱が眠っているような気がする

一夜にして、全てを焼いた、熱、
人も、街も、その生活も、全てを

遠く低い山は焼かれず、灰色の焦げた街にいる私は
その緑をひどく不調和なものに感じた

眼球がたくさんの色を拾った
緑と青と灰と、それらは、不調和だった。




蘇る、君といた原色の風景、君の印象

でも、それはアナログで出力された印象
すでに君は、濃淡の中に生きていて
私は好き勝手に色をつけた


君の肌は原色の中、不調和に白かった
あまりに清潔すぎる、白い肌


私は、依然として歩く
放射線を君の肌に受けながら
君の白い肌は爛れるのだろうね
紫色の腫瘍が出来るだろうか
そんな、想像、グロテスクな、想像
私はその想像に体の芯から震えた



あぁ、途切れ途切れになっていく
全身が痒く、紫外線、放射線、の
痛めつけられる君の肌が。



そうして、私は戻ってくる
そうして、私は私になる。