原色の風景の中、フィルタを通してみた夢 君の笑顔、揺れる髪 今の幸せはそこにある、そんな感覚 私は歩いていく、ああもう、君を忘れていく、褪せていく 夢 夢、 夢。 私は気が付くと君になっていた この光に反射する白い肌は間違いなく、君のだった 安心した、褪せなかった、印象、ゆめのなか 歩く、放射線の溢れる、原野を 空襲にあったか、瓦礫の山々からはまだ 熱気や、煙のようなものが上がっていて そのなかには、まだ大量の熱が眠っているような気がする 一夜にして、全てを焼いた、熱、 人も、街も、その生活も、全てを 遠く低い山は焼かれず、灰色の焦げた街にいる私は その緑をひどく不調和なものに感じた 眼球がたくさんの色を拾った 緑と青と灰と、それらは、不調和だった。 蘇る、君といた原色の風景、君の印象 でも、それはアナログで出力された印象 すでに君は、濃淡の中に生きていて 私は好き勝手に色をつけた 君の肌は原色の中、不調和に白かった あまりに清潔すぎる、白い肌 私は、依然として歩く 放射線を君の肌に受けながら 君の白い肌は爛れるのだろうね 紫色の腫瘍が出来るだろうか そんな、想像、グロテスクな、想像 私はその想像に体の芯から震えた あぁ、途切れ途切れになっていく 全身が痒く、紫外線、放射線、の 痛めつけられる君の肌が。 そうして、私は戻ってくる そうして、私は私になる。