吉野川 神之谷川 大栃谷

吉野川 神之谷川 大栃谷
大栃谷


山行日 2006. 6.18

メンバー L:藤田、原田、有本、坂口、福西、安藤、春田、前川

大栃谷地図(クリックすると拡大します。) ナカエ谷出合出発9:30 - 林道終点9:41 - 18mm滝11:30 - 二俣12:20 -
稜線14:55 - 白鬚岳頂上15:27 - 林道終点17:27





「中級登山教室の実山行は、梅雨の最中にどこに行こうか」と悩んだあげく、20年程前に入渓したことのあるこの谷を選んだ。
 あまり難しくなく、比良の沢より大きく、台高・大峰のような雰囲気もあり、そして小さくて増水しても問題なく、さらには楽しめるという難題をかなえてくれる沢だ。



   天気は回復するという予報に期待したのだが、神之谷川林道のナカエ谷出合に着いた時には、小雨が降るあいにくの天気だった。
沢登りだから所詮身体は濡れるからとはいえ、やはり晴れているほうが良い。気持ちが盛り上がらないままで、ゆっくりと身支度を整え合羽を着て林道を歩きはじめる。ほどなく林道終点に到着し、さっそく小屋の右手から沢に入る。

  少し河原を歩くと両岸が立った小さな渕が現れる。どう見てもへつれる雰囲気はなく、「日の差さない中で深い水の中に入るのも・・・・」と躊躇している間に、福西さんが泳いで突破する。「大丈夫やわ。たいしたことないわ。」の声に全員泳いで突破することにする。意外と水は冷たくなくて快適な泳ぎだった。泳いでいるのか溺れているのか判らない格好の者もいたが、全員無事に渕を通過する。安心したところが、そのすぐ上には2m程の滝が待ちうけており、滝の水に打たれながら左岸から右岸に渡ることになる。

 小滝の登りを楽しみながら溯行を続けると2時間で両岸が立った18mの滝が現れる。ここは、右岸岩壁の弱点を見つけて高巻くことになる。少し下降気味に壁の基部を横切り、少し上ったところから右手の土の詰るルンゼ状を上って尾根にあがる。沢床への下降を始めるが、すぐ上流に滝があり再び上へと追いやられることがわかったので、今日は一気に高巻くことにする。尾根に戻って頭上の易しい岩を登り、一段上の斜面を横切って河原に降りる。
すぐ上流で2俣となる。少し右俣に入ってみるが、平凡な沢のようなので方針変更して左俣に入ることにする。左岸を高巻いてゴルジュの上流に出る。滝の上から下を見てみると、真っ暗で狭く、まるで井戸の中を覗くような状態で水が見えない。
 斜7mの滝を超えてしばらく歩くと水が切れ、やっぱり小さな谷だなと思いながら歩いていると水音が聞こえてくる。
 滝をふたつ超えると左手から30mの滝が落ちてきている。ここは左手を登り滝の落ち口へと思いきや、この滝は下からは見えないがその上にもう1段滝があり、さらにその上は傾斜のあるナメが続いて次の滝へという連続した構成となっている。幸いにも上部のナメは危険のない斜面で、上に続く滝も難なく超えることができる。

 水が少なくなった沢を登り、水が切れても忠実に沢を詰め、藪こぎをすることもなく白鬚岳の少し東の稜線にはいあがる。稜線には中奥川の鳥渡り谷から上がってきている登山道がある。白鬚岳の頂上を越えて、ふたつ目の小さなピークから南に伸びる 尾根を藪をかき分けながら下る。少し下ると左手に林業用のモノレール(林道終点から延びている)があり、その軌道にそって下る。1115m地点から西南に伸びる尾根を下る予定でモノレールの軌道から別れるが、下降点と尾根がよく判らず、下降可能な斜面を下っていると杣道が現れ、再びモノレールの軌道とも出くわす。杣道は大栃谷方面に水平に道が伸びており、途中で林道終点から上っている杣道に合流している。

  小屋横の川で汚れたスパッツを洗っていると足元にいっぱいヒルが付いている。どうやら、林道にたくさんいたようだ。しばらくヒル退治に躍起となった後、車のあるナカエ谷まで歩いた。



入谷早々、泳ぐはめに!


この18m滝は、右岸を高巻く
   

二俣は、小滝(1m)で流入する
左俣に入る。この奥にゴルジュが隠れている。



伏流の上流は、まだまだ楽しま
せてくれる。



この谷の最大の滝。
落ち口から上の滝まで、傾斜の
あるナメが続く。



最後は登山道のある稜線に辿り着く。


少しだけ、もやのかかった白鬚岳頂上
 

杣道をたどって、林道終点に到着。