北アルプス明神岳東稜

明神岳頂上からの穂高稜線



山行日   : 2008年5月1日夜(先発) 、 2日夜(後発) 〜 5日
メンバー : L.藤田、小割、坂口(先発) 高橋、有本、今井(後発)

1日 :

2日 :

3日 :

4日 :


5日 :

JR奈良駅 21:00 - 高山 城山公園

城山公園 - あかんだな駐車場 - 上高地バス停 - 小梨平

明神館 8:38 - 宮川のコル 10:28 - ひょうたん池 12:00

ひょうたん池 4:20 - 第一階段 5:00 - バットレス基部のコル 6:40 - 明神岳頂上 8:30 - 奥明神沢のコル 9:50 - 岳沢 10:55〜11:45 - 小梨平 13:10

小梨平 - 上高地バス停 - あかんだな駐車場 - 奈良




〈5月1日〉

 21:00 先発はJR奈良駅に集合し、藤田車で出発。東名阪から東海北陸道 飛騨清美そして現在無料の中部縦貫 高山西ICで降りて、高山城山公園で仮眠。


〈5月2日〉

 朝、少しゆっくりして、平湯温泉のあかんだな駐車場に移動。駐車場でニッカボッカ、山シャツ姿に着替えた小割さん(何年?ぶりかにみるニッカボッカだな〜)。10時前のバスで上高地へ。

 小梨平にテントを張り、小梨平食堂でゆっくりした後、上高地を散策。これまで、何回も上高地に来たけれど、通過点であり、こんなにゆっくりしたのは初めてである。小梨平は特別保護地区内なのに焚き火はOK、また小梨平の売店には肉類、野菜類、小分けした米、油、醤油まで売っていた。



〈5月3日〉

 朝、後発隊と合流し(8:00)、明神館そして養魚場裏から下宮川谷を登る。日差しが強くとても暑い。雪がついていたら登りやすいが、雪は少なく、ガレ場のルンゼを登り、宮川のコルへ。

 5年前に来たときよりも雪が少ないし、締まってもいない。雪面をトラバースした所で休憩(11:34)。上宮川谷上部はデブリが見られた。見上げると明神東稜を歩いている人が12、3人は見えた。こんなに人が来ているんだとビックリ。岩稜(多分第一階段)の所で、ロープを出しているのか、全く前に進んでいない様子で、時間がかかりそうだな〜。
我々は急な斜面を登り、ひょうたん池着。

 前回はあんなにしんどいと思ったひょうたん池が、今年は案外近いと感じた。いつも夜行で移動するため寝不足なのに、今回は、よく寝て、よく食べたおかげかな?である。テントを設営し、後発の三人はお昼寝タイム。のんびりしながら明日のルートを眺める。岩稜の所で、右にルートをとっているパーティは苦労しているようである。今日のテン場は我々を含めて5パーティ。

   
梨平で後発隊と合流して出発。   宮川のコルへの登り。   宮川のコルからひょうたん池まで、上宮川谷の雪面を横切りながら登って行く。
 
 
上宮川谷上部からの明神岳東稜の眺め   最後の急登を登れば、ひょうたん池のテント場に着く。



〈5月4日〉

 混み合う前に取り付こうと2:30起床して、4:20に出発する。
冷え込みがなかった為、雪は全く凍っていない。昨日眺めてた岩稜(第一階段)に5:00に着く。トレースは真直ぐだったが、少し左側に古い残地ロープが下がっている。ここからの方が良いとの事でこちらから越える。ここから先は少し傾斜が緩む。
バットレス基部のテン場に到着。混みあっているからかまだ撤収していないテントもあった。バットレスには、2パーティが順番待ちであるが、その前にも数パーティはいるのだろう。バットレス基部の最初の岩場は左側を登り、続いて中央にクラックのある結構急な一枚岩に着いた。バットレスである。

 みんな少しに右にトラバースして登っている。休憩しながら待って藤田さんがトップで超える。途中、「足がとどかん」という声。えー、藤田さんがとどかないなら、みんなとどかないよー。しばらくして、ビレイポイントに着いたコール。
今回はロープ1本なので、みんなプルージックで登る。小割さんはラクラク越えていく。続いて坂口。ルート図にはV+、10mと書いてあったが、結構渋い。スタンス細かくとてもV+とは思えなかった。1度、テンションして何とか越える。
みんなを待つ場所もなく、先に行ってということなので、小割さんに続いて上に進む。途中確保点の有る所で有本さん、今井さんを待つ。最後に高橋さんがバットレスを越えたのを見て、さらに上に進む。浮石が多く、落石しないようにガレを一人ずつ登ると、なんと明神岳頂上。

 みんな着いた所で、記念撮影。天気がよく、2峰から先がよく見えていた。前穂を登っている人も見えた。しばらく、休憩し、この先、順番待ちをして2−5峰に行って暑い樹林帯を下るか、奥明神沢を下るか。う〜ん。明日は天気も下り坂だし、早く降りようということになり、奥明神沢のコルに向かう(9:22)。
途中の岩場の下りも結構渋かった。岳沢から奥明神沢を登っている人も見えた為、落石しないように注意深く下る。コルには前穂に登る2パーティほどが休憩していた。藤田さんと小割さんは、「グリセードできるかな」とここでアイゼンをはずしている。奥明神沢は急傾斜である。とてもアイゼンをはずす気にはならず、そのまま下る。雪は緩んでいて歩きにくい。しばらく下ると急に後ろから声がして、振り返ると今井さんがスリップ。100m近く、傾斜が緩むところまで止まらなかった。しかし、たいしたケガはなく、腕を擦りむいたぐらいだった。一安心。
以前、奥明神沢に来たときは、もっと雪の状態が良くて快適だったらしいが、今年はデブリも多くズボズボはまって歩きにくい。岳沢に着き、お腹もすいたし、暑いしで大休止。

急げば今日中に帰ることもできるが、今井さんが持ち上げたミネストローネを消費しないといけないし、休みもあることなので、小梨平で泊まることになった。上高地はすごい人出で、河童橋は渋滞状態。人並みを掻き分けて小梨平に。
テントを張って、乾杯。暑くて喉がカラカラだった為、美味しいビールだった。小割さん曰く、喉に引っかからなかったビールは初めてだったとの事?。その後、高橋さんに誘われて、小割さん、今井さんは明神池まで散策。2時間で往復という時間制限をしたらしく、散策ではなかったよう。
 

   
第一階段は、稜線左寄りの草付き混じりの岩場を登る。   バットレスへと続く尾根を登っていく。後方に、ひょうたん池が見えている。   バットレス基部のテント場とバットレス上部全景。コルには5〜6張りのテントが設営可能だ。
 
   
バットレスは凹角状のフェースを登る   バットレスの登攀は、緊張する場面だ。   浮石の多い中を落石を起こさないように注意しながら登れば、ひょっこりと明神岳に着く
 
   
天気が良くて、気持ちの良い頂上でのんびりする。   奥明神沢のコルに向けて、尾根を登る。   岳沢でゆっくりして、上高地に下る。

〈5月5日〉

 朝のバスであかんだな駐車場にもどり、祭日で混んでいた高山市内の渋滞、東海北陸道の大雨を経て、奈良に帰着。

− 坂口 −