南アルプス 鋸岳から甲斐駒ヶ岳

南アルプス 鋸岳から甲斐駒ヶ岳

鋸岳遠望 (クリックすると拡大します。)
甲斐駒ケ岳からの鋸岳

山行日   : 2004.12.30(夜)〜2005.01.03

メンバー : L藤田、中武、今井、坂口、有本、高橋

31日 : 戸台駐車場出発8:40 − 角兵衛沢出合10:50 − 大岩下の岩小屋15:00
  1日 : 岩小屋出発8:00 − 角兵衛沢のコル11:05 − 鋸岳頂上11:50 − 大ギャップ13:30 − 中ノ川乗越16:25
  2日 : 中ノ川乗越7:35 − 六合目11:05 − 甲斐駒ヶ岳頂上14:55 − 駒津峰16:05 − 仙水峠16:50
  3日 : 仙水峠7:00 − 北沢峠7:55 − 角兵衛沢出合9:35 − 戸台駐車場11:20





〈30日〉
   22時JR郡山駅前から2台の車に分乗して出発。中央自動車道の伊那ICで降りて、国道361号・152号を走り、仙流荘の駐車場で仮眠する。

〈31日〉
   仙流荘から戸台の駐車場に移動し、山行計画書を提出して出発する。歩き始めて早々に雪片が落ち始め、次第に本降りの様相となってくる。2時間程で角兵衛沢の出会いに到着する。少しばかり下流に何とか渡渉できる場所を見つけ、恐る恐るという感じで渡渉する。
雪の降る樹林帯の中を登る。下ってきた2パーティーとすれ違い、角兵衛沢のガレの末端部に到達する。雪が付いて歩きにくいガレは、疲労を増やすのに絶好の条件だ。
   元気者の坂口さんが、大岩まで後少しというところで両足の大腿部前面の筋肉がひき付け、動けなくなる。いっこうに収まらず心配するが、中武さんがテントを被せて暖かくし、マッサージをさせたことが功を奏し、ほどなく歩行可能となった。 (^_^;)
   大岩下の岩小屋は、幸いにも我々のパーティのみで、ゆったりと幕営することができた。

戸台川 角兵衛沢の樹林帯 大岩下の岩小屋
雪の降り始めた戸台川を歩き
始める。

  

戸台川の渡渉を終えて、角兵
衛沢の樹林帯を登る。
  

大岩下の岩小屋のテント場

〈1日〉
   まだ雪が降っていて、ガスもかかり対岸にあるスーパー林道が時折見える程度だ。でも稜線に出る頃には天候も回復するという期待感を持ちながら岩小屋を出発する。
雪が積もり歩きにくいガレ場が続く。登るにつれて、徐々に天候が回復してくる。ガレの登りにうんざりした頃にやっとコルに到着する。いつもなら風の強いコルなのだが、今日はそれほどでもない。
   コルからひと登りすれば鋸岳の頂上に到達する。今日の気温は−12℃、暖冬で寒さに慣れていない身体に寒さがこたえる。高曇りの空だが、時折青空も顔を出すという、まずまずの天気だ。小ギャップを通過し岩稜が現れれば、鹿穴への中ノ川側斜面のトラバース地点だ。新雪の斜面をロープを出して一人ずつ慎重に渡る。
   鹿穴を通り抜けてバンドを辿れば大ギャップの底に下れるものの、忠実に稜線を辿りたいということで、稜線を歩き大ギャップに至る。少し左に降りすぎて、本来の懸垂下降点ではない所から40mいっぱいの懸垂下降をする。大ギャップの底から戸台側に少し降り、左手の尾根に取り付く。重い足を引き上げ第二高点を目指すが、疲れてそのピークはパス!
   雪の少ないルンゼを下り、日暮れの迫る中ノ川乗越に到着する。雪面を切り出して快適なテント場を作った。幸いこの夜は風も弱く快適な夜を迎えることができた。

朝の角兵衛沢

鋸岳の頂上へ  

大ギャップへの稜線

まだガスに包まれた角兵衛沢
を登る。

  

角兵衛沢を登りきれば、鋸岳
の頂上までひとがんばり!

  

鹿穴を過ぎて、大ギャップへの
稜線を行く。

大ギャップからの下り

第二高点への登り

中ノ川乗越への下り

大ギャップの底から戸台側に
沢の源頭を下る。

 

第二高点を目指して小尾根を
登る。

 

中ノ川乗越に続くルンゼを下
る。

〈2日〉
 今日は朝から快晴だ。
その分、朝はしっかりと冷え込み気温は−16℃。八ヶ岳 (クリックすると拡大します。)
中ノ川乗越から熊穴沢ノ頭への急登から始まる。天気は良いものの戸台側からの風が冷たく、身体が温まらない。山裾が美しく伸びた八ヶ岳や中央アルプスに目をやりながら、考えも無く目印を追って歩いていると烏帽子岳への道を辿っていた。後尾を歩いていた高橋さんと中武さんが気付き呼び戻される。地図には記載されていないが、三ツ頭から烏帽子岳まで主稜線よりしっかりした道と目印が続いているので注意が必要だ。
   三ツ頭から一度下り、しばらくで雪が吹き飛ばされた六合目に着く。いよいよ甲斐駒ヶ岳の登りが始まる。六合石室の小屋はどうなっているのか興味もあり、小屋に寄ってみる。さすがに石積みの壁はしっかりしているが、屋根の妻の板は朽ち果てている。道がわからずに適当に登り、途中から尾根上に戻ると登山道に出た。全員が揃うのを待っている間に、単独行者が登山道を上がってきて追い越していった。
やがて道は岩稜となり鎖場が現れる。アイゼンをはいての通過に少し緊張させられる。岩の堆積したような尾根を慎重にルートを探しながら高度をかせいでいく。振り返れば、昨日歩いてきた鋸岳が美しい姿を見せ、八ヶ岳がすぐそこにあるような近さで見えている。
   堆積した岩を右から回りこみ傾斜が落ちたと思ったら、そこが甲斐駒ヶ岳の頂上だった。
最初に目に飛び込んできたのは優雅な姿の富士山だ。どこの山に登っても富士山が見えると、何となく嬉しくなってくるのはどういう訳だろう。後から頂上に辿りついたメンバーもなにやら同じ心境のようだ。360°の展望を楽しんだあと、駒津峰を目指して下る。駒津峰の頂上に着く頃になると太陽はすっかり傾き、夕暮れが迫ってきた。もうひとがんばりして仙水峠まで下る。
 日が暮れ、そしてメンバー全員が疲労しきっているようなので、不本意ながらこの場所にテントを張ることにする。幸いなことに、この夜も風が無くゆっくり休むことができた。

甲斐駒ケ岳遠望 (クリックすると拡大します。)

六合目からの登り

  

頂上を目指して岩稜を登る

三つ頭の手前から甲斐駒ケ岳
を望む。

  

六合目からの甲斐駒ケ岳の登


甲斐駒ケ岳へは、岩が堆積し
た尾根上をルートを探しながら
登る。

最後の難所のクサリ場

頂上に到着

頂上で記念写真
今回の最後の難所、鎖場を慎
重に登る。

傾斜が落ちて視界が開けたと
思ったら甲斐駒ケ岳の頂上だ
った。
頂上に着けば、やっぱり記念
写真。

〈3日〉
   5時起床。穏やかな朝を向かえた。 今日も天気は持ちそうだ。
北沢峠、大平小屋、丹渓山荘、角兵衛沢出合を経由して、戸台の駐車場に到着。
   仙流荘で汗を流し、昼飯を食べる店を探しながら国道を下り、松川ICから中央自動車道、名阪自動車道をひた走り、奈良に帰ってきた。

北沢峠 角兵衛沢出合い 戸台の駐車場
人気の無い北沢峠で一休み


  

角兵衛沢の出合いで、充実感
を感じながら一休み

  

やっと、戸台の駐車場に到着
しました。