大台ケ原 西大台

山行日  ：２００５年１０月３０日 メンバー ： Ｌ 藤田 、坂口 コースタイム ： サマ・コレ取付き7:30 − ２Ｐ目取付き8:00 − 　　　　　　　　　　３Ｐ目取付き8:30 − ７Ｐ目取付き10:20 − 　　　　　　　　　　終了点11:30

取付きから見たサマ・コレ全容

２９日    山上駐車場は車の出入りで結構うるさいので、少し手前の道路横に駐車して朝を待つ。 ３０日    ６時前に駐車場に移動し、寒さに肩をすくめながらシオカラ谷へと続く縦走路を辿る。整備された階段の道を下り、小さな涸れた沢筋にでたところに看板が立っている。その横から、少しばかり踏まれたような跡のある水平路を進む。右手から下っている尾根上に出るかと思う頃、左手に浅く不明瞭な沢が出てくる。木の枝に赤テープが巻かれていることを確認して沢を下り始める。右手の千石�ｰらしき岩場が見え、下方にシオカラ谷の出合が見える位置から岩場を目指してトラバースをする。岩場の基部をさらにトラバースを続けるとおのずとサマーコレクションの取り付きにでる。 　 取付きで登攀準備をしていると、顔なじみの大阪労山のパーティが後からやってきた。 < １ピッチ目　：　5.5  40m >    ロープ不要な易しいラインだが、取り合えずロープを着けて、坂口さんのリードでサマーコレクションに取り付く。岩が冷え切っていて、指先の感覚が鈍ってくる。１ピッチ目終了点は、相撲でも取れそうな広いテラスだ。 < ２ピッチ目　：　5.10  30m >    ここから本来の登攀が始まる。このピッチは、藤田がリードする。 ２ピッチ目は細かいホールドのスラブ状フェースで、ふんだんに打たれたペッツルのボルトに導かれて登るが、凍えた指先では辛いクライミングだ。中間部の左斜上する浅いクラックは思いのほか難しく、リードする者には最も辛いポイントだ。 右よりの外傾テラスにたどり着き、このピッチを切る。 < ３ピッチ目　：　5.10-  50m >    このピッチは、坂口さんがリードする。 テラスから左トラバース気味に登り、草付きの凹角からフェースの中央へと登り、傾斜の落ちた易しいフェースを登ってレッジでピッチを切る。 < ４・５ピッチ目　：　5.10+  15m , 5.8  30m >    いよいよこのサマーコレクションの核心のピッチだ。このピッチは、藤田がリードする。 徐々に壁が立ってきて、やがて４ピッチ目終了点下のかぶり気味の核心部になる。見た目から、まずはボルトの左手から攻める。右足が滑り危うく落ちそうになるが、ここはがっちり掴んだ左手のホールドでなんとか耐える。一度安定したポイントまで下り、再度ラインを観察する。すぐ右手に大きなフットホールドがあることに気付き、次は右から攻めてみると、核心部をあっけなく通過してしまう。 　 この上の終了点はかぶり気味の狭いレッジで、確保するには苦しい。60mロープを持参していたので、ここでピッチ切らずに、さらにロープを伸ばすことにする。次のボルトにクリップした後でラインが見えなくなった。緊張で冷や汗をかきながら、ブッシュの生える垂壁を、幹が1cm程度の細いブッシュを左手のホールドにして右から超えると、左の方向にボルトが見えた。ボルトが見えなかったので、ラインを外してしまったようだ。左に移動してクリップして一息つく。私にとって、ラインを外したこの数メートルが、最も緊張するラインの核心部になってしまった。   傾斜の落ちた易しい壁を登り、60m一杯ロープを伸ばして大きな木の生えたテラスで確保する。（岩からブッシュ帯に入ったところでピッチを切った方が良かった。） < ６ピッチ目　：　5.6  35m >    このピッチは、坂口さんがリードする。  ブッシュ帯のバンドを左にトラバースして、左上する易しいバンドを登り、大きな木のあるレッジでピッチを切る。 < ７ピッチ目　：　5.8  30m >    このラインの売り物のハンドトラバースがあるピッチだ。陽も当たり、快適このうえないこのピッチも藤田がリードさせてもらうことになる。  （良いとこ取りで、なんだか申し訳ない気分 (^_^;)＼。） 取り付いてから、右斜上気味に易しいラインを登りハング下に出る。 見事な横クラックが左のカンテに続いている。まさに、「コレは、えーーーーわ！」という光景が続いている。ガバの続くハンドホールドと、程よくあるフットホールドで、まったく快適なハンドトラバースだ。この気持ちの良いピッチを経験するだけでも、ここに来た価値がある。まさに「癖になりそう!」という感じのピッチだ。 トラバースを終えたレッジで、坂口さんを確保する。 < ８ピッチ目　：　5.9  25m >    このピッチはカンテにそって引かれている。このピッチは、坂口さんがリードする。 青空をバックにしたクライミングは、感動を増やしてくれる。終了までに１ピッチを残しているが、すでに終了した時の感動の中に包まれた登攀だ。快適で程好いグレードの登攀をこなして、カンテ上の広いレッジ上でピッチを切る。 < ９ピッチ目　：　5.9  30m >    最後の盛り上がるピッチを、またまた私がいただくことになる。「本当に済みません (^_^;)＼」という感じで登り始める。草付きの混じる易しいラインから最後のハング気味のカンテを終えて、終了点に出る。 満足感の中に、少し腕の疲れが混じったよう顔の坂口さんを迎える。 実に良い気分のクライミングをさせていただき、「感謝！感謝！」の一日だった。 装備を片付けて、僅かに踏み後の有る斜面から小尾根を登り、朝に通過したシオカラ谷に降りる階段の途中に出て、駐車場に戻る。 紅葉真っ盛りの時だけに、駐車場とドライブウェイは車で埋まっている。そのまま帰るにはまだ早い時間でもあり、駐車場から少し下った広場に駐車し、人が少なく黄葉に染まった西大台を散策して帰ってきた。

２ピッチ目取付きから見た岩場上部 ２ピッチ目の中間部 ３ピッチ目の登攀 ７ピッチ目取付きから見た岩場上部 ７ピッチ目の登攀 ７ピッチ目のハンドトラバース ８ピッチ目の登攀 ９ピッチ目の登攀を終えて、終了点