【f/d2】

ルイ達は小さな廃工場跡に捨てられていた家具やカーペットを持ち込んでよく其処で騒いでいた、俺はリトルリーグの練習の帰りにルイの溜まり場に顔を出すのが癖になっていた。
ルイは嫌がったが兄貴が友達と何をしてるか興味があった、12歳の俺には酒飲んで煙草やマリファナを吸ってるだけで何だか大人びて恰好よく見えたんだ。

でもその日は居る筈のルイの姿はなく閉め切った小さな部屋にソニーや数人の連れがいるだけだった、
声をかけた僕を見る目が明らかに瞳孔が開いていて、でもソレが何を意味するかその時俺にはよくわからなかった。いつもガキ扱いで邪険にあしらうソニーがやたら陽気に話しかけてくる、

「よぉダニー、こっち来いよ。」

嬉しいと思ったのは一瞬でその輪の中に入った時に散らばった薬の粉を見て凍りいた、ルイが絶対に薬だけはやるなって俺に言ってたのを思い出す、ルイが密売をやってたのは知っているけれど確かに本人は薬をやらなかった、
ルイのいない時に皆ハイになってたのかルイが薬を皆やり出すと消えたのかは分からないが、今ここに俺が居るのはヤバい気がした。

汚いカーペットに座りこんでいたソニーが立ち尽くすダニーを横に座らせ肩を抱く、ソニーは顔は明るく気のいい雰囲気なのに目の奥が怖い、ルイがその内あいつは人を殺るって呟いてたのを思い出して俺は肩をすくめた。

「何だよ、怖いのか?ダニー、いやさっきまでは機嫌が悪かったのは確かだ、お前の兄貴が連れてきた女を持ってっちまったんだから。」

ダニーの肩を撫でていた手が腰に回って撫で擦るのを逃げようと体を反らした時に口の中に何かを擦り込まれた、そのまま口腔深くにソニーの指がねじ込まれて苦しさに手をどけようとしたが小さなダニーの体は簡単に側にいたもう一人の男に羽交い締めにされてしまった。

口の中を乱暴に掻き回され唾液が唇の端から喉に伝わっていく、もう一人の男が後ろからダニーの野球服を脱がしていくと恐怖で固まったダニーの体はまるでマネキンの服を剥ぐように見る間にアンダーシャツの白いランニングを残し靴も全て剥ぎ取られ裸の下肢をまさぐられていた。

ダニーのまだ淡い毛が生え揃ってもいない股間に男の節くれだった手が入り込み皮を被った先を握ると勢いよく引き下ろす、無理に剥がされて痛みにうめく事も口に指を差し込まれては出来ずただくぐもった声を喉の奥で鳴らすだけだった。
まだ固く小さな亀頭が露になり、さっきの乱暴な仕草で血が滲んでいる。やっと指が口から引き抜かれた時ダニーは妙な浮遊感を感じた、そしてペニスの痛みも遠くなって代わりに腰から鈍いうずきがダニーの体を突き抜けてゆく。

「まわってきたか?兄貴の償いはお前がするんだ、本当はこうやってあの女とハメまくるつもりだった…ルイの野郎、女が13だって分かった途端ヤバいだの何だのって、つまらねぇ奴だお前の兄貴は。」

そう言うとソニーはフラつくダニーの頭を掴むと自分の股間に押し付けた、無理に口をこじ開けられソニーのそそり立ったモノをねじ込まれる。
むせて苦しい筈なのにダニーの感覚はどこか遠かった、後ろからも突かれ裂けた痛みと圧迫に喉を鳴らしはするがダニーの顔は目が宙を舞い、濃い金髪の睫毛が伏せた目にかかって端正な顔はやはり兄弟だなとソニーも薬で雲がかかった頭で考えていた。

ダニーの兄のルイは危なっかしい弟と違って濃い黒髪に落ち着いた端正な顔で頭もキレる、だが寸ででまともに振れる要領のよさが気に入らない。ソニーはルイを何とか仲間に引き入れようとしていたが最近その溝は深まっていた、ダニーはそんなソニーの苛立ちの捌け口でもあった。

体を這うヌルつく感触、何人もに貫かれ揺さぶられるうちにダニーのペニスは立ち上がりかけていた、それを擦られダニーの口から弱い悲鳴が漏れる。
薬のせいだと思いたかった、レイプされて快楽の声を上げるなんて。ダニーは自分でも痛みからか感じるからかわからなかった、唇から溢れる上擦ったいやらしい声は自分のものではないような気がした。

…どれ位時間が経ったろう、薄暗い部屋にもうソニー達の姿はなく、ダニーの小さな体が唾液と汗や精液にまみれて転がっていた。
ダニーはノロノロと体を起こしてカーペットに転がっていたタオルを見つけると体を出来る限り丁寧に拭った、ソニー達は多分しばらく戻ってはこない、馴染みのバーに行くと言っていた気がする。

薬が切れてきたのか途端に体中が痛み出してきた、服を着るのも痛む、半ベソをかきながらダニーは服を着るとやたら重たく感じる野球バッグを担いで外へ出た。
何時間にも感じたがまだ辺りは薄暗くなってきたばかりだった。

家へ帰り練習後と同じようにシャワーを浴びて汚れを落とすと、何事もなかったかのような気がした。
母親の作ってくれたニョッキやチキンスープを食べていつも通り野球の中継を見終わるとベッドにもぐり込む、下肢の痛みを誤魔化しながらダニーは忘れてしまった方がいいと思った。
眠りに入ろうとした矢先ルイが帰ってくるのが分かった、最近両親とも折り合いが悪くて帰るといつも怒鳴り合う声がする。

ダニーは何となく起き上がって部屋を出ると

「おかえり、ルイ…」

そう呼びかけた、言いたいけど言えない何かを込めて。

ルイはいつもと変わらず穏やかに笑うとダニーの頭を撫でた、その瞬間ルイの体から違う匂いがした。

「ルイ、セックスしてきただろ…」

ダニーはつい口に出して言ってしまった、昨日までなら分からなかったし気にもならなかった…でも今は何となく分かる、他人の汗と体臭の混ざりあった匂い。
ルイは一瞬無言でダニーを見つめ、少し屈むとダニーの耳元で囁いた、

「お前、女とヤッたな?」

そう言うとルイは自分の部屋へ歩いていく、それを見ながらダニーはまだドアの前に立ちつくしこんな風に知りたくなかったと思っていた。

「…で、それからすぐクラスの女の子としたんだ、何か忘れたかったって言うかせめて童貞きりたかったって言うか。」

重い話の割に話しているダニーは淡々としていて、聞いているフラックは酷く疲れた青い顔をしていた。
ダニーは無意識にフラックを責めている、でも許してもいるような気もする。過去を話していてもソニー達を責めている雰囲気はない、ダニーはただ傷ついたと言いたいだけなんだろうか。

「すまないダニー、本当に…悪かった。」

フラックはもう情けない泣き顔ではなくいつもの優しさと寛容、強さをもった顔ではっきりとダニーを見た。

「よくねーけど、いいよ、変な話もしたしさぁ…何かすっきりした。」

ダニーは本当にどこかケロりとした顔でそう言うと立ち上がりシャワールームへと歩いていった。その後ろ姿の血のこびり付いた下肢を見てフラックはもう一度心の中で頭を下げた、取り返しのつかない事をしてしまったんだと本気で思った。
その重大さが分かり過ぎる刑事である自分が恨めしかった。

ダニーが離れていってもしょうがない、けれどさっきの話で余計にダニーを守りたいとも思った。何も言わず受け入れたい、何があってもダニーを愛している自分に変わりがないのだから。
そしてダニーもまたマックに対してそんな気持ちなんだろう…哀しいけれど皆一方通行だ。

フラックは散らかった部屋を片付けてシャワーを浴びた、ベッドに向かうと先にベッドに入っていたダニーが寝息を立てている。
何もなかったかのような気がした、でも多分今夜をずっとどこかで後悔する、ダニーはそんな楔を打ち込んだ。

こんな形で深まっていく関係なんていい筈ない、でもダニーはこんな奴で…俺はダニーに翻弄されこうやって惹かれていく。

フラックはダニーの背中から腕をまわして軽く抱きしめると目を伏せた、ベッドルームのカーテンの向こう窓から薄青い光が差し曖昧な夜が明けようとしていた。


【end.】




シリアスに書くとどうしようもない人達だー
(いやもうすいませんグダグダで)

ダニーさん初めてが男でしかもレイプ系のがスラでたくさんたくさん
あるそうで、(白タクの運転手に親子共々みたいな凄いのとか)
見ていて可哀相だからもう嫌〜みたいな
ダニー好きさんもいらっしゃるかとおもうのですが…
一回は書いておきたいネタだったのです。

今回の話の場合はダニーにも非があるしソニーはそんな過去は
忘れているしルイも知らないという前提です、
でソニーはルイの事が気になるというマイ設定…
メッサー兄弟の若い頃の話とかも書きたいなぁ。
スタテン島のイタリア人街の悪兄ちゃんらを手玉に取る
美人兄弟とかだったらもう全然別の話になってしまうんですが。

あ、ダニー誰にも話したことないって言ってるけどマックには
ベラベラ喋ってるかもしれませんベッドで。

なのでこの話はフラックが可哀相なんですよ、
うちのダニー悪い子なんで。本当に悪い子。



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