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1回の接種で5年有効
肺炎は日本人の死因になかで、がん、心臓病、脳卒中に次いで四位を占め、高齢者にとっては命にかかわる疾患です。肺炎の原因となる微生物には、細菌やウイルスなど、たくさんの種類がありますが、肺炎球菌はそれらのなかでも、最も重要な位置を占めている細菌です。ことに最近、抗生物質が効きにくい耐性肺炎球菌が増加してきており死者が増加しています。今出ている肺炎球菌ワクチンは、肺炎を引き起こす80%に有効で、安全性も高いといわれています。また、一回の接種(皮下注射)で五年間程度の効果が持続するとされています。しかし、日本では、まだこのワクチンについて医療関係者の間でも十分認識せれておらず、アメリカやヨーロッパに比べ普及率が著しく低いのが現状です。そのため、六十五歳以上の接種率はアメリカで45%なのに対して、日本では0.1%にとどまっています。日本では1988年に認可されたものの、その後の普及啓発が十分でなかったためとされていますが、世界保健機関(WHO)は、肺炎ワクチンの接種を勧告しています。なお、現在、日本では「脾臓摘出患者に対する肺炎球菌の感染発症を予防する目的」以外には健康保険がきかないために、自費で受けることとなります。
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