★トロンボーンと私

 トロンボーンは、中学校の吹奏楽部に入部したときから始めました。本当はオーボエがやりたかったのですが、当時の田舎の中学校の吹奏楽部にはオーボエなど楽器自体が存在せず、また、当時は「男子=金管、女子=木管」という不文律めいたものもあったりして、最終的には顧問の先生の指示でトロンボーンを吹くことになりました。ただ、顧問の先生が音大でトロンボーンを勉強した方で、合奏指導中に「ここはこういう風に吹くんや」と言って自らトロンボーンを吹いてくれたりしたので、楽器を始めたばかりの時期にほとんど毎日本物のトロンボーンの音を聴くことができたのは、今から思えばラッキーでした。

 高校でも吹奏楽部に入り、3年間、授業に出るよりもはるかにたくさん、熱心に部活動に参加しました。高校を卒業して、一時期は大学の吹奏楽団に入団したものの、片道2時間という遠距離通学に耐えられず、ほどなく退団、ほぼ同時に、奈良で活動を始めたばかりの市民吹奏楽団に入団しました。1983年のことでした。

 実は、この吹奏楽団、僕が通った高校の吹奏楽部OBが中心になって作った団だったので、当時の僕には「市民吹奏楽団」に入るという感覚は全くなく、実際、団自体も、OB会バンドそのもののノリでした。とはいえ、僕が入団したのは団創設2年目だったのですが、その前年の夏、吹奏楽コンクール奈良県大会に出場したところ、当時、競争相手となる団体が他に1団体しかなかったことも幸いし、コンクール初参加で見事1位入賞、上位大会である関西コンクールへの出場権を得て、以来何か勢いがついたのか、いまでは奈良県を代表する市民吹奏楽団へ成長しました。僕はその間いろいろあって出たり入ったりを繰り返しながらも、足かけ15年、1998年の8月まで在籍しました。

 1993年、友人たちとトロンボーンカルテットを結成しました。アマチュアとはいえ僕以外のメンバーは、音大のTb専攻生とか、みな「トップアマチュア」と言うにふさわしい技量の持ち主ばかりでした。彼らにはずいぶん迷惑をかけたと思いますが、足手まといになるまいと自分なりに一生懸命練習したおかげで、この間に、僕自身はずいぶんトロンボーンが上達したと思います。残念ながら1996年に、メンバーがそれぞれ留学、就職、結婚等で一気に離れ離れになり、やむなく解散しました。この3年間にトロンボーンアンサンブルの楽譜をめったやたらと買いあさりましたが、今となってはもはや二度と演奏できるあてもなく淋しく本棚の肥やしになっています。

 現在(1998年9月〜)は、20年近い吹奏楽生活から心機一転、奈良交響楽団、けいはんなフィルハーモニー管弦楽団という二つのアマオケに身を転じて、相変わらずトロンボーンを吹き続けています。

(1998/10/30)

・その後まあいろいろあって、今はけいはんなフィルハーモニー管弦楽団とA-Winds奈良アマチュアウィンドオーケストラという吹奏楽団に所属して相変わらずトロンボーンを吹き続けています。

(2000/05/05)

・2002年4月にA-Windsを退団して、現在はけいはんなフィルハーモニー管弦楽団で活動を続けています。

(2002/06/08)

 

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