12月1日(日)の続き

八戸駅の在来線ホームでは、「青い森鉄道」の開業式典が行われていた。青森県知事や地元選出の議員も出席してテープカットが行われ、万歳の声とともに記念列車が発車した。しかし、旧東北本線でも最も利用客の少ない区間を走る「青い森鉄道」の現実は厳しい。

5番ホームからは、新幹線に接続する特急「白鳥」71号が函館に向けて出発した。伝統の愛称の復活1番列車となったが、出発式もなくひっそりとしたスタートとなった。新しい「白鳥」のヘッドマークは、はくちょう座をイメージしていると思われる。

  

左:青い森鉄道の記念列車  右:特急「白鳥」の下り1番列車


八戸駅は地元の人々をはじめ、観光客やマスコミ関係者で大にぎわい。駅前広場では様々なイベントが行われており、「せんべい汁」の無料配布があったので賞味。冷たい空気の中、素朴な味の温かい汁が美味い。突然、八戸駅の上空を自衛隊のヘリと対戦哨戒機が編隊を組んで低空飛行で通過。人々の間からは大歓声が上がり、お祭りムードはいっそう盛り上がった。



八戸駅は大にぎわい。


9時53分、黄緑色のボディを輝かせながら特急「スーパー白鳥」10号が到着し、八戸駅は再び熱気に包まれた。JR北海道の特急電車が八戸まで下ってきた歴史的な瞬間だ。ホームではJR北海道と東日本の社長が出席して出発式が行われた。何のイベントもなかった「白鳥」とは対照的だ。10時16分、特急「スーパー白鳥」1号は函館に向けて発車した。車内では「ミスねぶた」から記念品が配られ、開業ムードに花を添えた。青森で進行方向を変えて青函トンネルに向かうが、今回は時間の関係もあり津軽今別で下車。1日2本しか停車しない駅だが、6人が下車。言うまでもなく、全員がその筋の人だった。

  

左:八戸駅に停車中の「スーパー白鳥」。  右:「ミスねぶた」から記念品をもらう。


これで今回の惜別&開業記念乗車はすべて終了。せっかく来たので、三厩まで往復することにした。今まで最新の新幹線と特急を乗り継いできただけに、ローカル気動車の旅は数十年前にタイムスリップしたかのような錯覚を受けた。三厩で折り返して、蟹田で乗り換えて青森へ戻る。今までの疲れのため爆睡してしまった。



津軽二股駅から津軽線に乗る。奥には津軽今別駅。


青森では久しぶりに八甲田丸を見学する。青函トンネルの歴史に新たな1ページを刻んだ記念すべき日に、かつて青函連絡船として活躍した八甲田丸に敬意を表したと言えば聞こえがよいが、実は飛行機の出発まで時間があるための暇つぶしである。見学を終えると、ベイブリッジを渡ってアスパム(青森県観光物産館)を見学。そして青森空港へ向かい、JASで伊丹に帰った。



青森ベイブリッジと八甲田丸。

11月30日  12月1日(1)

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