漢の部屋
ここは、管理人テッツが見聞きした「漢」の武勇伝を書き連ねたものです。ここに書かれている物語は一部脚色を加えている部分もありますが、基本的には全て真実であります。
K君の場合
私の友人のK君は、中堅建設会社に勤めるサラリーマンである。K君の主な仕事は、建設現場に赴いて現場の監視をするというものである。あるとき、いつものようにK君が現場の監視をしていると、そこにK君の会社の会長が現れた。会長は気さくな人で、K君はよく食事などに連れて行ってもらっていた。その日も会長はK君を食事に誘った。
会長は近くのステーキハウスへとK君を連れて行った。そこは、カウンターでシェフが目の前でステーキを焼いてくれるシステムの非常におしゃれな店であった。香ばしいにおいが食欲を誘う。
「焼き方はいかがいたしましょう?」シェフがすました顔で聞いてきた。K君はミディアムレアが好きだった・・・。そのときだった。会長が大声で注文した。
「しょうが焼き!」
あたりが静寂に包まれたのはいうまでもない・・・・・・・・・。
K君の場合(その2)
K君は高校時代、自転車で通学をしていた。田舎で学校が遠かったためである。いつも仲の良い友人たちと登下校していた。そこに、「デビル」とあだ名される彼がいた・・・。
ある日、いつものようにみんなで下校していた時の事、前方に、田んぼの溝に脱輪して半分以上ひっくり返っている車を発見した。平和なこの町ではこのような出来事は珍しい。通り過ぎた後もしばらくはこの車の話題で持ちきりであった。
しばらくしてK君が、ふと疑問を口にした。
「ドライバー、どうなったんだろう?」
するとデビルが口を開いた。
「車の中で手振ってたよ。」
あわてて舞い戻ったのは言うまでもない・・・・・・。
K君のおばあちゃんの場合
K君の家は高校時代、友人たちのたまり場となっていた。その日も、いつものように友人たちが集まってテレビゲームに興じていた。すると、そこにK君のおばあちゃんが現れた。手には人数分のヤキソバUFOが乗ったお盆があった。
「みんなでお食べ。」
どうやら、まだお湯が入っているらしい。しかしこの部屋には流し台は無い。不審に思ったK君がふたを開けてみると、そこには茶色の液体に浮かぶ麺の姿があった。
「間違ってる!」
皆が思った。しかし、目前にはにこやかに微笑むおばあちゃん。
皆は何事も無かったようにそれを食した・・・・・・・。
Nさんの場合
Nさんは、某電気店に勤める中年男性サラリーマンである。ある日、Nさんがいつものように店で仕事をしていると、Nさんがいるサービスカウンターに一人の女性がやってきた。手には、某メーカーの炊飯器が握られていた。
「すいません、修理をお願いしたいのですが・・・。」
女性はそう言って炊飯器を差し出してきた。Nさんはお世辞にも仕事が出来るほうとは言い難い。この時も受付伝票処理に手間取り時間がかかってしまった。ふと見ると先ほどの女性の姿が無い。その日は日曜日で店内も非常に混んでいて、女性がどこにいるのか全く解らなかった。Nさんは大声で女性を呼んだ。
「すいませーん!オカマのお客様ー!」
「オカマ」のお客様はしばらく現れなかった・・・・・・・・・。
I君の場合
I君は、私の中学時代からの友人である。あるとき学校の教室でふとI君の姿を見つけた。I君の前には、これまた私の友人であり、I君の友人でもあるR君がいた。2人はお互いに向かい合って立っている。どうやら口げんかをしているようだった。
何気なく2人の言い合いを聞き取れる距離まで近寄り探ってみると、本当に他愛も無い事で口論している様子であった。しかし当人同士は真剣である。
もともとI君の方は口が達者なほうではない。徐々にR君に言い負かされていく。はた目から見てもI君の劣勢は明らかであった。追い詰められたI君は、ついに切り札を切り出した。
「なんだよ!R君なんか朝制服にカメムシついてたくせに!」
カメムシ。そう、あの耐えがたい悪臭をまきちらす恐るべき生き物である。I君は、今日の朝、R君が制服にカメムシをつけていたのを知っていたのだ。カメムシを付着させたものは、無条件で皆の嘲笑の的になる。究極の屈辱感を味わうことになるのだ。
形勢は一気に逆転した。しばらくのあいだうつむき加減で顔を赤くして屈辱に耐えていたR君だったが、ふと何かに気づいて言葉を発した。
「あれ?I君、制服に何か付いてるよ?」
R君が指差した先では、1匹のカメムシがI君の制服の肩口を忙しく歩き回っていた・・・・・・・・・・・。
虞翻(グホン)の場合(番外編)
虞翻とは、三国志という物語に出てくる武将の名前である。光栄(コーエー)という会社は、この三国志をモチーフにしたゲームを作っている。
昔、テッツが友人たちと一緒に「三国志2」というゲームをやっていた時のことである。
ゲームに出てくる虞翻は、なかなか頭のいい、序盤では結構使える人材であった。プレイを始めて早々に、テッツは在野にいる虞翻を登用することに成功した。知将に恵まれていなかった我が陣営には願ってもない人材だ。これで他のプレイヤーにも差をつけられる!と喜び勇んで虞翻を軍師へと任命した。
軍師とは、プレイヤーが何か行動を起こそうとする時に色々と助言をしてくれるというかなり便利な存在である。当然軍師になるためには高い知力が要求され、誰でもなれるという代物ではない。虞翻はその条件を見事クリアしていた。
軍師は、こちらが助言を求めると的確な答えを返してくれる。内政的な助言は勿論、自陣内に潜り込んだ工作武将に対する忠告までしてくれる。
虞翻という軍師を手に入れて数ヶ月(ゲーム内)たって、テッツは何気なく軍師に助言を求めた。すると・・・。
虞翻曰く、「虞翻が怪しいかと・・・。」
ナイスだよ、お前・・・。
あまりに正直すぎる軍師は、翌月一人寂しく在野へと下って行った・・・・・・・・。