---------- 車両解説 ----------

400系(409・309)

 1928年(昭和3年)奈良電気鉄道(現近鉄京都線)が開業に際して製造した電動貨車デワボ500形の下回りを流用し、車体を日本車輌で1957年(昭和32年)に新製した車両である。奈良電時代はデハボ1300形と称しMcMcの2両編成であったが、近鉄合併後の1964年(昭和39年)出力を増強したうえ1両をTc化し、McTc編成になった。車体はノーシルノーヘッダーの全金属製で、前面は当時流行の湘南形を採用しているが、のちの改造で雨ドイが前面に取り付けられた。1500V昇圧前はモ455・ク355であったが、昇圧時に他の小形車とともに400系に編入され、モ409・ク309となった。全金属製の車体は奈良線小形車の中ではきわだった存在であった。のちに前照燈はシールドビーム2燈化され、尾灯も8000系と同様のものに取り替えられた。
 晩年は主に生駒・田原本線で使用されていたが、老朽化のため1987年(昭和62年)に廃車となった。
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西大寺車庫での400系 生駒線で活躍する晩年の400系
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←京都/奈良→
 ク300形(Tc) + モ400形(Mc) 
309 + 409
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ400 Mc 09 1 110 16200 2590 4100 住友96A43BC1 東洋 110×4 1957 日車  
ク300 Tc 09 1 3940 住友KS-33L  

2019年 2月10日 更新

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