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2005, 8,28(2016, 7,17 改定)
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8810系ステンレス枠と渡り板塗色
8911 8811 8812 8912
 1981年3月に8810系が登場したときからちょっと気になっていたことがあったのですが、友人が撮影した8810系画像がきっかけとなり、8810系の表示器ステンレス枠と貫通扉渡り板の状況を当時の写真から把握してみることにしました。
 友人の撮影した写真はおそらく1981年2月〜3月初めに撮られたと思われる玉川工場の8810系です。
fujiko22さん撮影
 このク8916の画像をみて真っ先に目が行ったのは貫通扉上の行き先表示器、ステンレス製の枠がなく四隅のRが大きい。右隣の8810系の番号は不明であるがこちらにはステンレス枠が付いているようである。またこのク8916の貫通扉渡り板上面はどうやらグレーの塗装のようであります。
 そこでたまたま1981年3月17日(時刻改正&8810系営業運転開始の前日)に西大寺車庫に集結する8810系群を撮影していたので、他の編成含めて見直してみることにしました。 
<たまたま行った西大寺駅撮影ツアー>
 1981年3月18日改正の時刻表を2月初めくらいに購入していたのであるが、その中には奈良線8810系、大阪線1400系の案内があり8810系のカラーイラストが大きく掲載されていた。また前面窓上にステンレス化粧板を配した以後VVVF車までのこのスタイルが初めてであったことから、登場をかなり期待していましたが試運転には巡り会う機会がありませでした。
 そんなこんなでたまたま1981年3月17日に西大寺駅へ列車撮影ツアーへ友人と出かけた時のこと、行き来する車両たちの撮影を 楽しんでいるうちにすっかり8810系の存在も忘れようとしていた頃...、車庫より見慣れない顔の車両が突然現れました。8810系との初めての対面、編成は8913Fで翌日運用のために回送されるようです。
時刻表に描かれた8810系のイラスト。
行き先・種別表示器のステンレス枠は前面、側面とも描かれていなかった。

ク8914は前面行き先表示器のステンレス枠あり、渡り板上面はグレー色である。
ク8914
ク8913
ク8913はク8914同様、前面行き先表示器のステンレス枠あり、渡り板上面はグレー色である。
<車窓から発見した8810系群>
 そろそろ陽も傾き始めた頃、帰路橿原神宮前行き普通列車に乗る。いつものように車窓より西大寺車庫に留置される車両たちを見て楽しんでいた。電車が車庫から離れる頃、南端に8810系の姿が目に入った。すぐさま尼ヶ辻駅で下車、西大寺駅までとんぼ返りし、車庫の南端まで足を運びました。
 車庫横に到着すると車窓からは他の列車で隠れていたので見えなかったが、なんと3編成の真新しい車体が一列に並んでいました。
(3編成の配置)
8917 8817 8818 8918
8915 8815 8816 8916
車庫南端
<何故か8918だけが...>
早速”新鋭8810系”を無我夢中で撮影、以下は当時撮影した写真を並べてみます。
ク8911
ク8912
→ ステンレス枠あり
→ 上面グレー色
→ 上面グレー色
→ ステンレス枠あり
ク8917
→ ステンレス枠あり
→ 側面種別表示灯
  ステンレス枠なし
→ 上面マルーン色
ク8915
→ステンレス枠あり
→上面マルーン色
ク8916
kagorinさん撮影
kagorinさん提供
→ステンレス枠あり
→上面マルーン色
 ク8915では渡り板上面がマルーンに対し、ク8916は写真では折り畳まれていて
見にくいですがヒンジ部分がグレーであるため上面もグレー塗装と思われます。
 ヒンジ部分がグレーなのは見る限りク8916のみ、またこの時は何故か貫通幌は
付けられていませんでした。
モ8818
→種別表示器枠なし
 これだけ撮影した中で偶然にク8918だけは、1枚も撮影していなかったので、はたしてク8918の枠なし行き先表示器はこの状態で営業運転に入ったのか否かは不明だったのですが....。
 よく見ると、上記ク8915の前面窓にク8918の前面が反射しているのが見えます。そこには行き先表示器のステンレス枠が写り込んでいました。
 ということは、玉川工場でのク8918の姿は営業運転までの試運転時期にしか見ることの出来なかったかなり貴重なものであることになります。また渡り板の方ですが、こちらの方は営業運転まもなくすべての車両がマルーン色に塗られた模様です。
ク8916
ク8918
営業運転開始約1ヶ月後(生駒にて)
渡り板上面マルーン色
営業運転開始約1ヶ月後(橿原神宮前にて)
渡り板上面マルーン色
 1年後の1982年3月には2次車8919F〜8923Fが登場しましたが、こちらは全て前面行き先表示器枠付き、側面種別燈枠付き、渡り板マルーンにて出場した模様です。
ク8921
ク8924
上記何れも1982年3月、kagorinさん撮影
以上をまとめて表にしてみました。
車番 行き先表示器枠 貫通扉渡り板 登場年月
試運転時 営業初期 試運転時 営業初期 その後
8911 不明 あり グレー グレー マルーン 1981, 3
8912 不明 あり グレー グレー マルーン
8913 不明 あり グレー グレー マルーン
8914 不明 あり グレー グレー マルーン
8915 不明 あり 不明 マルーン マルーン
8916 不明 あり グレー グレー マルーン
8917 不明 あり 不明 マルーン マルーン
8918 なし あり グレー 不明 マルーン
8919 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン 1982, 3
8920 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
8921 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
8922 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
8923 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
8924 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
8925 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン 1984,10
8926 あり※ あり マルーン※ マルーン マルーン
※は推測です。
<その後の例では>
ク1127
 その後数々の車両たちが登場したのでありますが、このような試運転〜営業運転での細部の変化があったかどうかはわかりません。ちなみに1027Fの試運転に出会ったことがありますが、このあたりの新車では渡り板上面は未塗装というパターンが見られました。
→ 見にくいですが渡り板上面は未塗装で生地むき出しです。