---------- 車両解説 ----------

橿原神宮前台車振替場入れ替え車

 1969年(昭和44年)の奈良線昇圧により廃車となったモ660形(665)を1970年(昭和45年)に改造して、玉川工場(もと八戸ノ里〜若江岩田に立地)の入れ替え車としたものである。種車のモ660形は1941年(昭和16年)に関西急行鉄道(もと大阪電気軌道)が製造したモ651形(661〜665)で、台車・主要機器などは参宮急行電鉄デニ2000形(のちのモニ6251形)のものが流用された。車体は1935年(昭和10年)に製造された大阪電気軌道600形(602〜607)と同一であったが、性能が異なるために別形式とされた。1950年(昭和25年)にモ450形(451〜455)に改番されたが、1963年(昭和38年)には再度改番されモ660形(661〜665)となった。翌1964年(昭和39年)、モ665は荷物電車に改造されたが車内の一部が改造されただけで、形式は変わらなかった。昇圧の際モ662・モ663はモ400形(410・411)に改番され、またモ661・モ664はTc化されてク500形(516・518)となったが、モ665のみは改造されずに廃車になった。改造に際して、車内は座席の一部が撤去されてエアータンクが置かれたが、その他はあまり手を加えられず荷物電車化された時に付けられた窓の保護棒もそのまま残された。
 玉川工場で入れ替え1号車とともに、入れ替え2号車として使用されたが、1982年(昭和57年)に五位堂検修車庫の完成に伴い、同工場の入れ替え車となったが、再度橿原神宮前台車入替場の入れ替え車として活躍した。1997年に入れ替え設備の簡略化に伴い解体された。
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五位堂検修車庫へ行く前 再度、橿原神宮前台車振替場に戻った入れ替え車

2008年 1月12日 更新

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