---------- 車両解説 ----------

モニ210形

 1928年(昭和3年)に湯の山線の前身である四日市鉄道が製造した車両である。4両製造され、当初デハニ51形(51〜54)と称され、1931年に三重鉄道に合併された際も形式・車番とも変更されなかった。そして、1944年(昭和19年)に三重交通が創立され、モニ210形(211〜214)となった。
 車体は半鋼製で、前面は非貫通・3枚窓、側窓は1段下降式である。また、両運転台で、片側に荷物室が付けられており、段付ウインドシルやおわん形ベンチレーターが特徴である。当初、集電装置はポールであったが、のちにパンタに交換された。前照燈も前面下部にあったが、のちに屋根部分に移設された。
 主電動機出力は当初、22.5kw×2個であったが、1951年(昭和26年)に211・12が30kw×4個に、213・14が28kw×4個に増強された。しかし晩年には全車30kwのものに統一された。また、台車も溶接組立のものに交換されている。なお、連結器は1978年(昭和53年)に他の内部線車両とともにピンリンク式から中間緩衝式の自動連結器に交換された。その後、内部・八王子線近代化のため全車廃車された。
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四日市駅を出発するモニ214 内部駅構内留置線のモニ213
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 モニ210形(Mc) 
211
212
213
214
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モニ210 Mc 11〜14 4 60 11460 2134 3680 日車C形 三菱MB-216AR 30×4 1928 田中  

2011年 6月11日更新

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