---------- 車両解説 ----------

270系

 北勢線近代化のため、1977年(昭和52年)に製造された同線近鉄合併後初の新造車である。前面は切妻の2枚窓で車体長は在来車よりも約4m長い15.6mとなった。また側面扉も両開き扉が2箇所設置され、もちろん自動である。側窓は上段下段・下降固定のユニットサッシュとなった。Mcのモ270形は6両、Tcの170形は2両製造されたが、ユニット化はされていない。駆動方式は在来車にあわせて吊り掛け式、制動装置は電動カム軸式であるが、出力は在来車よりも増強され、制御方式も間接自動式となった。車内は本線通勤車に準じた内装になり、ラインデリアが設置されている。台車は枕ばねにコイルばねを用いたKD−219形を採用した。1991年(平成3年)からは制動装置のHSC化が行われ、塗色もマルーンとオレンジの2色に変更された。

 三岐鉄道事業譲渡後の2005年(平成17年)には高速化工事によりモ270形(271・272)の運転台側動力台車とク170形(171・172)の連結側付随台車を交換して自重分割が行われた。その際形式も変更されモ270形はクモハ270形、ク170形はクモハ170形となった。2006年8月からは冷房化改造が行われ、車端座席を一部撤去してCU46形冷房装置を設置、窓が埋められてその位置に大型のルーバーが設けられている。また他のモ270形も高速化工事が施工されたが組成編成上、冷房装置は搭載されずまた電動機の分配配置は行われていない。そのため273〜276は形式が分けられ、クモハ273形となった。
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登場時の姿 塗色変更後
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高速化・冷房化工事が施工された三岐北勢線クモハ272ほか 高速化改造によりMc化されたクモハ170形
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阿下喜→
 モ270形(Mc)   高速化改造後
 クモハ270形(Mc) 
271 2005, 6 クモハ化
272 2005, 6 クモハ化
 モ270形(Mc)   高速化改造後
 クモハ273形(Mc) 
273 2007,12 クモハ化
274 2008, 7 クモハ化
275 2007, 7 クモハ化
276 2008,12 クモハ化
←西桑名
 ク170形(Tc)   高速化改造後
 クモハ170形(Mc) 
171 2005, 6 クモハ化
172 2005, 6 クモハ化

三岐鉄道北勢線編成表

2020年11月14日更新

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