箏の夢通信の小部屋 10号−1
♪寄稿 箏の音 文 鼻の低い幸福者 K・I さん
箏の音は日本の美しい自然が育んだ音だと思ってきました。
しかし、最近は箏の音が自然の音から離れているような気がしていました。
満開の桜の頃、長い間の夢でありました田舎暮らしのための土地選びに行ってきました。
その一つの候補地の八朔畑に一歩足を踏み入れると、
土の感触、草を踏む感触が、体中を優しく包み込み始め、
澄きった鳥の声、思いがけず見つけた土筆にすっかり時間のたつのも忘れ摘み始めました。
近くの畑はおおきな池に面し,れんげ草が咲き、畔には昨秋のススキの穂が残っています。
道ばたの葉桜の美しい色、対岸の美しい日本画のような山桜、
もう迷う余地はありません。
家を建てる土地を選ばせて貰った身内に感謝しながら泥んこになっていた靴のことも忘れ電車に乗って帰宅しました。
一夜明けてもその土の優しい感触は心豊か残っています。
娘が美しい言葉の和歌をトンレントンレンと箏に合わせて「組み歌」を弾いています。
昨日の心豊かな土の感触と同じです。
邦楽の心と自然の素晴らしさはやはり一緒でした。