■お知らせ
第40回全国盲人将棋大会
成績結果報告
全国盲人将棋大会、40年の節目を迎える
11月19日と20日の2日間、メヂカルフレンドビル(東京都千代田区)を会場に、
社会福祉法人日本盲人会連合主催「第40回全国盲人将棋大会」が開催されました。
節目の大会には全国から48名(S級:6名、A級:18名、
B級:17名、C級:7名)の参加者があり、
公益社団法人日本将棋連盟棋士 先崎学九段が審判長として見守る中、
数々の名勝負が展開されました。
今大会からS級が新設されました。
S級最終戦、静岡県の石川准さんと戦う岡山県の山下さん。
実力は拮抗し、石川さんが勝利すれば山下さんと勝率で並ぶため、
もう一局という場面でした。
開会式では竹下義樹会長から、
40回を記念してS級を新設した旨が報告されました。
S級は過去の大会のA級優勝経験者で構成されます。
日本将棋連盟からの五段位が授与されることもあり、
6名による総当たり戦は混戦模様を呈しました。
結果は、前回の優勝者 山下幸四郎さん(岡山県)が全勝し、
3勝2敗の石川准さん(静岡県)・御神本章さん(島根県)を退け、連覇を果たしました。
A級優勝者の山下さんには、日本将棋連盟会長賞および五段位、
そして日盲連会長賞が授与されました。
A級・B級は若手が躍進、C級は参加者が倍増!
A級優勝者は、地元で教鞭を執るS級優勝者の山下さんの教え子でもあり、
山下さんが「秘密兵器」と称する中藤真さん(岡山県)が優勝し、
その力強さを見せつけました。なお、2位は西山洋一さん(神奈川県)、
3位は玉津島一誠さん(埼玉県)となっています。
A級優勝者の中藤さんには、厚生労働大臣賞・NHK会長賞・
日本将棋連盟会長賞および四段位、日盲連会長賞が授与されました。
B級は2時間にもおよぶ激しい対局を制し、
長谷川智也さん(愛知県)が初出場にして初優勝に輝きました。
2位には斎藤啓二さんが(福島県)、3位はこちらも初出場の並木正さん(東京都)と、
新たな顔ぶれの活躍が目覚ましかったのが今大会の特徴でした。
B級優勝者の長谷川さんには、厚生労働大臣賞・
日本将棋連盟会長賞および初段位、そして日盲連会長賞が授与されました。
C級は昨年の4人から7人と参加者が2倍近くに増えました。
総当たり戦を制したのは山下ひとみさん(兵庫県)です。続いて、
2位に江川昭夫さん(東京都)、3位に仲沢安夫さん(茨城県)が続きました。
C級優勝者の山下さんには、日盲連会長賞と記念品が授与されました。
また、A級・B級のトーナメント敗退者による交流戦は、小宮山芳人さん(東京都)・
長曽我部進さん(宮崎県)、
島嵜秀五郎さん(東京都)が3勝0敗で同率首位に並びました。
交流戦の優勝者3名には、先崎九段による自筆の色紙が贈られました。
多様化する将棋の楽しみ方
マイクロソフトが提供するインターネット電話サービス「Skype」を利用して、
自宅などにいながら将棋を楽しむ視覚障害者も増えています。
Skype将棋同好会の会長を務める柏木保行さんは、今大会の参加者の内、
「(Skype将棋同好会の登録者が)22名参加している」と報告しました。
また、棋譜をスマホのアプリなどで記録する参加者の姿も見られました。
インターネットやスマホなどの普及により、
将棋の楽しみ方も多様化しているようです。
公益社団法人日本将棋連盟棋士 先崎学九段の講評から
「どのクラスも非常に大熱戦が多くて、皆様の熱気を感じた2日間でした。
皆様が将棋を一生懸命指して勝って喜び、負けて・・・まぁ、悔しいですよね(笑)。
今日負けても、明日勝つと、そういう勝ち負けを通じて喜んで頂けるのが、
我々専門棋士には一番ですので、今後ともぜひ将棋を続けられて、
この大会がますます盛んになると、今回40回でSクラス五段ということで、
10年続けばSクラス優勝者が増えて、今度はSSクラスでしょうか?(笑)
六段免状獲得戦をぜひ開催して欲しいと思います。
本当に素晴らしい大会だったと思います。
2日間、どうもありがとうございました」