将棋格言集

将棋の格言をまとめてみました。
なかには、格言と呼べないようなものもありますが、
「教訓」を含んでいるものは取り上げてあります。
格言とは、むかしの人がのこした物事の手本となるようなことばです。
将棋では、むかしから言われている将棋に対する考え方の教えです。

将棋にまつわる とっちりとん。

将棋刺す手をつくずく見れば

やっぱり恋路も同じ事

この手で行くのか行かぬのか

飛車を使って呼びい出す

角の次第と こまごまと

語れど先は 歩に落ちず

飛んだ桂馬に跳ねられて

無駄に使った金銀は

つまらないではないかいな

■歩の格言

  ★歩のない将棋は負け将棋
歩のない将棋は負け将棋
「歩」というものは将棋の中で一番身分の低い駒ですが、
この「歩」がないために受けることが出来なかったり、違う駒で受けてしまったら
相手に攻め駒を与えてしまいます。
ですので常に「歩」を持つようにします。
  ★一歩千金
局面によるのですが、歩がひとつあるためにせめ筋が開けたり、
歩が1つないために受けがきかないという場合がよくあります。
歩1つでも大切にしなければいけない、という意味です。
なお、千金というのは、とても大きな値打ちということです。
  ★二枚替えなら歩ともせよ
二枚換え(角と銀桂交換など)は有効と言うこと。
歩でもいいから二枚換えをするような手を指した方がいいということ。
  ★手のない時は端歩を突け
指したい手が無い場合は端の歩を突くのがいいということ。
  ★打ち歩詰めに詰みの余地あり
打ち歩詰めになるような局面では回避する手順がある場合があるということ
  ★開戦は歩の突き捨てから
突き捨てを先に入れておくことで攻めが効果的になることがあるということ
開戦後に突き捨てを入れてもとってくれない場合がありますが
一番先に入れればとりあえず相手してくれる可能性大です
  ★三歩持ったら継ぎ歩とたれ歩
歩兵が3枚あるときには、相手の駒を吊り上げて
拠点を作ることができるということです。「継ぎ歩
  ★横歩三年のわずらい
飛先を交換した後、一歩得を狙ってむやみに横歩を取ると、
その後の駒組みに手数がかかって苦労するということ。
ただし「横歩取り」という戦法もあります。
  ★5三のと金に負けなし
5三の地点に”と金”が出来るような展開になれば勝てるということ
  ★と金のおそはや
と金のおそはや
「と金」は「歩」が敵陣に入った時に成ることにより
「金」と同じ効果を発揮します。
「と金」を作るのに手が最低でも2手かかりますが、
一旦「と金」になるとその効果を発揮します。
  ★まむしのと金
と金での攻撃は、攻めては金の働き、取られたところで一歩の損に過ぎないので、
攻められる者にとっては実にいやらしい攻撃であるということ。
  ★突き違いの歩に好手あり
相手の歩の裏のスペースに歩を打ち込むのがいい場合が多いということ。
  ★と金の遅早
と金の攻めは遅いようで早いと言うこと。
他に『と金は金と同じで金以上』『成り捨ての歩に好手あり』という格言も似たような意味である。
  ★焦点の歩に好手あり
相手の駒がたくさん利いているところに
歩を打ち込むのがいい手になる場合が多いということ
  ★と金は金と同じで金以上
と金は金と同じ動きをするが、相手に取られると歩になるので、
金以上の価値があるということ。

■香の格言

  ★香は下段から打て
香は縦方向一筋の駒であるので、その他にはきき筋を持ちません。
ですから下段から打てば、後ろにきかない欠点と、縦にきく利点を
考えると、最大限香の働きが生きてくる、という意味です。

■桂馬の格言

  ★桂馬は控えて打て
桂馬を直接攻めに活用するよりは、控えて打って、
次に厳しい効果のある手を指すほうがいい場合が多いという意味です。
  ★桂馬の王手は合い駒きかず
桂馬は自陣の駒であっても、敵陣の駒であっても飛び越えてきく駒です。
他の駒(飛、角、香車)の王手は合い駒がききますが、桂馬馬の王手は
合い駒がきかないということです。
  ★桂馬の高飛び歩の餌食
桂馬の特徴として、前には飛び越えて進むことができるが後に下がれないことです。
うかつに跳ねていきますと「歩」に頭から攻められて、
やられてしまいます。
  ★三桂あって詰まぬ事なし
桂馬が3枚あればだいたい詰むということ。

■銀の格言

  ★成らずの銀に好手あり
銀は敵陣にはいると成ることができますが、
時には成らないほうが後によい結果が得られることが多いという意味です。
  ★銀は千鳥に使え
「銀」の活用の仕方で、銀は千鳥のように斜めに使うことで
効果を発揮するという意味です。
「銀」はまっすぐにも進めますが、真後ろには下がれないので、
この格言が生きてきます。
  ★攻めは銀、受けは金
★桂頭の銀定跡なり
★歩越銀には歩で受けよ
★銀は攻撃の先兵

■金の格言

  ★金底の歩岩より堅し
「金」の真下に「歩」を打つことを「金底の歩」とよびます。
金はもともとは守りの駒ですが、「歩」が加わることにより
更に強固になることを意味しています。
実戦ではよく使われる手です。
  ★金は斜めに誘うべし
「金」の効果は真横、上方の守りには効果を発揮しますが、
斜め後ろに下がれないため手薄になります。そこで、


守りの駒である「金」を斜め上に誘いだせば、
同じ場所に戻るのに2手かかりますので、守りが弱くなります。

  ★金は引く手に好手あり
金は下がった方がいい場合があるということ
  ★一段金に飛車捨てあり
通常は相手に飛車を渡す事はリスクが高いが、
自陣の一番下段に金がある形は相手の飛車打ちに対して非常に有利であるため、
飛車交換や飛車捨ても選択できる場合がある。
  ★要の金をねらえ
玉を狙うより守りの金を狙ったほうがかえって速く玉に迫れるということ
  ★金なし将棋に受け手なし
金が無ければ受ける手が無くなってしまうということ。
逆に『金なし将棋に詰め手なし』と言うものあり、
金がなければ詰める手がないと言うこと
  ★金はとどめに残せ
最後の最後に玉を詰ます時に持ち駒に金を残しておくと、詰ませやすいということ。

■角の格言

  ★遠見の角に好手あり
「角」のきき筋は両斜め四方にきいていますので、
守る側にとってはとても受けにくいものです。
ですので、直接攻撃に参加しなくても、自陣を守りつつ
間接的に相手陣の攻めに参加することができます。
  ★角には角
角道は止めづらいので角で対抗するのがいい手になることが多いということ。
  ★角筋の玉受けにくし
角道に王がいると危険ということ。
  ★角換わり将棋に5筋は突くな
角換わり将棋で5筋が突いてあると角打ちの隙が生まれやすいので
突いていないほうが良いということ
  ★角筋は受けにくし
急所に入った角のすじは受けにくいということ
  ★序盤は飛車より角
序盤では飛車より角の価値が高いということ
  ★馬の守りは金銀三枚
馬の守りは強力で金銀三枚ぐらい働くということ
  ★角は大きくさばけ
大駒の角は、邪魔をする駒さえなければどこまでも進むことができます。
他にも斜めに動ける駒はありますが、一歩ずつしか進撃できません。
角の持つ機動性を利用して、敵を揺さぶってやりましょう。

■飛車の格言

  ★竜は敵陣に馬は自陣に
龍(飛車成)は敵陣に馬(角成)は自陣に置いた方がいいということ。
  ★飛車先の歩交換三つの得あり
飛車先の歩交換に三つの得があるということ。
一つは持ち駒に歩が増えること。
二つ目は歩がいなくなった場所に自分の駒を進められること。
三つ目は飛車先が敵陣に直射すること。
  ★飛車は十字に使え
飛車は縦横に動ける駒なので、十字に使うということは
その動きを存分に発揮できるため。
石田流は三間飛車の理想型とされます。
  ★二枚飛車に追われる夢を見た
二丁飛車は強力であり、夢にでてくるくらい強いと言うこと。
  ★飛車の捨てどころ肝要なり
「飛車」は大駒なので、あまり捨てることはないのですが、
もし捨てる場面があるとすると、その捨てる時期と場所を誤ると自陣が崩壊することがあるので、
そうならないよう気をつけなさいという意味です。
  ★へぼ将棋王より飛車を可愛がり
将棋を指されている方で一番手放したくない駒は「飛車」が多いのですが、
それよりも「王」が一番大切です。それが結構わすれている場合があります。
その事を皮肉った格言ですね。
  ★内龍は外龍に勝る
両者が龍を作った場合、内側にある龍の方が役に立つということ。
  ★振飛車には角交換を狙え
振飛車側の構えは、角打ちの隙ができやすく、また角によって乱されやすいため、
居飛車側は角交換をすれば有利に戦いを進められるということ
(ゴキゲン中飛車等は角交換もオーケーだそうです)。
  ★仕掛けの筋に飛車を振れ
振り飛車戦法でよく言われる格言。
戦いが起こりそうなところに飛車を移動させるのがいい手だと言うこと。
  ★攻めは飛角銀桂守りは金銀三枚
飛角銀桂の連携で攻撃していくのが有効な攻め手ということ。
  ★振り飛車には角交換
振り飛車vs居飛車戦では角を交換する展開が居飛車に有利ということ。

■玉「王様」の格言

  ★王飛車接近すべからず
玉と飛車が接近していると不利になりやすいということ
飛車は攻めるのには強力な駒ですが逆に攻められると弱い駒といえます
玉でも飛車でもどちらかを目標とされたとき接近していると自然に
もう一方にも効いてきて後手にまわされてしまいやすくなります
  ★王手は追う手
王手ばかりしていると逃げられてしまうので、
逃げ道を封鎖するような手を指した方がいいと言うこと。
『王は包むように寄せよ』『王は下段に落とせ』
『王の退路に捨て駒』なども同じような意味。
  ★玉は包むように寄せよ
「王手は追う手」の対義語。寄せのやり方のこと。
  ★玉は下段に落とせ
寄せの段階で、相手玉をその下段に落としてやると寄せやすいということ。
玉を捕まえるための基本。
  ★中段玉は寄せにくし
王が中段(3・4・5段目)に上がると詰ましづらくなるということ。
  ★桂頭の玉寄せにくし
桂の頭に王を持っていくと詰みづらいということ
  ★玉の腹から銀を打て
寄せのテクニックのひとつで、連続で王手をかけるよりも王の腹に銀を打つことにより、
相手に厳しい状況に追い込むことを教えています。
この格言は必ず覚えておいて損はないです。
  ★端玉には端歩
端に王がいるときは端歩から攻撃するのがいいということ
  ★玉の早逃げ八手の得
自陣が崩壊する前に、早く逃げてしまえば、相手に寄せの決め手を失わすことができる場合があり、
そのため反撃できる状況を作り出すことができることを意味しています。
  ★居玉はさけよ
王将を1マス寄せるだけでも守りが安定します。
  ★初王手目の薬
初王手はほとんど効果がないという意味。
  ★鬼より怖い両王手
合駒の効かない両王手の怖さを指した言葉。
  ★入玉に負けなし
入玉すれば不敗の体勢となる。

■その他の格言

  ★大駒は離して打て
大駒は遠くからでも効くので離して打って小駒によってはじかれたりするのを防ぐのがよいとうこと
  ★大駒は近づけて受けよ
大駒「飛車」「角行」は動ける範囲がとても広いので、
離れて攻撃又は守りの時に効果が発揮しますが、
意外と近くで攻められたりすると弱いものです。
ですので、近づけて受けますと大駒は逃げるしかなくなることが多いです。
  ★長い詰みより短い必死
長手数により難解な詰みを読みきるよりも、
短手数による簡単な必死を読みきる方が勝ちやすいこと。
  ★終盤は駒の損得より速度
終盤は駒を大事にするよりも王を狙う方が良いということ。
他にも『捨て駒に好手あり』というものある。
  ★風邪を引いても後手ひくな
後手をひくと不利になるので先手先手でいくべきだということ
  ★逃げ道に捨て駒
ただ相手を追いかけるだけじゃなくて
相手の逃げるであろう場所に何かを(捨て駒)を仕掛けて
逃げ道を塞いでおいて追いかける
  ★敵の打ちたい所に打て
将棋の世界では鉄壁な囲いは存在しません。どんなに堅い囲いでも必ず弱点があります。
ですので、相手が打ちたい(守りたい)と思うところに
先に打てば敵陣が崩壊する場合があるという意味です。
  ★相穴熊では角より金
相穴熊の場合、金は攻めにも守りにも働く駒。特に終盤では金は角より高い価値があることが多い。
  ★王手するより縛りと必至
終盤において、相手玉が即詰みではない場合、王手をかけるよりも縛りをかけながら必至を狙う方が勝ちにつながるということ。
  ★浮き駒に手あり
浮き駒がある場合はその駒が傷となって攻める筋が発生する場合があるということ
  ★位を取ったら位の確保
位(各筋の5段目の勢力)を取ると有利になるが、それが維持できないと反撃されるということ。
  ★5五の位は天王山
将棋盤の中心の5五の地点を天王山といいます。昔からこの天王山の


位を押さえたものが勝ちを手に入れるということが多かったです。
ただ、現在はこの位が大事とはならなくなってきました。
  ★俗手の好手
しゃれた手よりも誰でも思いつく手のほうが好手である事が多いということ。これも重要です。
  ★寄せは俗手で
終盤戦では難しい手よりわかりやすい手を指した方がよいと言うこと。
  ★両取り逃げるべからず
両取りを受けても逃げることばかりを考えず何かいい手が無いか考えろという意味。
  ★遊び駒は活用せよ
遊び駒とは?戦線から加わっていない駒の事を言います。
遊び駒の存在が敗因になることが多いため、
それを活用して自軍の戦力を高めるような戦いをするべきだということです。
  ★穴熊にはと金攻め
穴熊戦法は強い囲いの代名詞です。
端のほうに置かれた王は金と銀にガッチリ守られて、簡単には攻められることはありません。
しかし、と金で穴熊の金と銀を交換すれば取られても歩なので次が攻めやすい、という意味です。
  ★急戦は居玉
急戦の時には時として王将を囲わず、そのまま攻めたほうが良いということ。
古くは速戦即決または速攻重視で囲いを余り重視しない人がよく用い、
居玉は余り良いものとされていなかったが、
藤井システム等の出現により居玉急戦は珍しいものでなくなった。
用例としては早繰り銀や棒銀などに見られるとおり、過激な急戦になる場合などに言われる。
  ★先後同型中央に手あり
先後同型の形になると、中央から仕掛ける手は成立する確率が高いということ。
  ★不利な時は戦線拡大
部分的に悪くなったときはそこにこだわらず、
他のところで戦いを起こすと焦点がぼやけるということ。
  ★うまそうな手に注意せよ
良さそうだからと言って安易に指すと酷い目に遭うと言うこと。まずは一考を。
  ★かわす手に好手あり
駒がぶつかっても取らずにかわした方がいい手になることが多いということ。
  ★自然な差し手に悪手なし
駒がいい感じに進む。無理な感じがしない。そういう手は悪い手なはずはないということ
  ★取る手に悪手なし
駒を補充する手は、最終盤等を除いては、最善ではなくとも一定水準の価値があることが多い。
  ★序盤は奇数の歩を突け
居飛車vs振り飛車戦などで使われる格言。
居飛車側は奇数(3・5・7筋)の歩を突くのがいい手ということ。
  ★攻め駒を責めよ
攻撃してきた駒を攻撃して攻め手を遅らせること。
  ★攻めたら休むな
攻撃したら緩まないで攻め続けた方が良いということ
  ★攻めるは守るなり
攻撃は最大の防御ということ。
攻撃することで相手に駒を使わせることが守ることに繋がるということ。
  ★離れ駒に手あり
離れている駒には何か手があるということ。
  ★美濃囲いには端攻め
美濃囲いには端から攻める手が有効だと言うこと。
  ★名人に定跡なし
将棋の名人は定跡だけに頼らず、自ら多くの手を読んで指す。
定跡ばかりを鵜呑みにすることへの戒め。