高野山〜2003.01.25 晴れのち曇り時々雪



今回のテーマは、「雪の高野山」。
真っ白な静寂の中の高野山を見に行くのが目的だったんですが、この日は朝から底抜けの青空。
電車の中だと暑い位で、高野山のケーブルの下の駅、極楽橋に着いても影の部分にちょっと白いものが見える程度にしか積もっていない。
これは積もってないかなと思いきや、ケーブルで上に上がると、ちゃんと積雪していました。下界とはかなり寒さも違う様子。
ちなみに高野山の通年の気温は東北と同じくらい、積雪は兵庫県北部で降っていると高野山でも降っている、という感じらしい。
今日は1cm程度でしたが、ちゃんと雪積もってました。

金剛峰寺 ケーブルを降りたらバスに乗り、千手院橋へ。
そういえば今回、南海電鉄の「高野山フリーサービック」と言うチケットを購入して、とってもお得な旅でした。
新今宮から高野山までの電車・ケーブルの往復チケット(本来片道1230円)、高野山内のフリーバス乗車券(同800円)に、拝観割引券等が付いて2780円!これは安い!
まぁ、それはさておき、バスを降りたらまずは金剛峰寺へ。
高野山へは何度か大学の実習・調査で行った事があるので、道も一応覚えていて楽でした。
金剛峰寺の庭は雪で真っ白。おじいさんが竹箒で通路に当たる部分をはいていました。
中は広くて庭に面した廊下を進んでいく感じ。狩野派などの襖絵などが多く、それを見ながら歩いていきます。
しかもここ、なんと写真撮影禁止の場所がほとんど無い。
襖絵も庭も写真撮り放題です。
でも後で聞いた話で納得したんだけど、ここって高野山・金剛峰寺の本堂、って言うわけじゃないらしいんですよね。
名前だけ聞くと「ここが本堂なのかな?」って思うけど。
家で言うと「お仏壇」みたいなもので、ご本尊があるわけでもないし、非公開・撮影禁止にする必要も無い、という事でしょうか。
でも襖とかも写真撮っちゃだめな所が多いし、なんだか得した気分ですね。

金剛峰寺を出ると少し雪が降り出していました。
高野山って、すごいさらっさらのパウダースノーなんですよ。初めて知りました。
そんな小雪の舞う中、徒歩で奥の院へ。
金剛峰寺から奥の院までは約3km、一時間弱かかるのですが、御土産物屋を覗いたりしながらてくてく歩く。
奥の院の少し手前にもバス停があるのですが、参道は両脇を巨木に囲まれた墓地の中を通っていて、しかもその墓地が歴史的人物のお墓だったり、著名な会社の供養塔だったりと なかなか見ごたえがあり、行くならぜひ歩いてもらいたいと思います。
武田信玄や伊達正宗のお墓を通り過ぎ、一路奥の院へ。
途中、写真を撮るのに手袋もしてなかったのですが、この頃から空はもう曇っていて、指先がかじかんで痛いくらい。
奥の院参道
やっとの思いで奥の院に到着。
すると途中の川のところにアマチュアカメラマンらしきひとが10人程立ち並び、三脚を立てている。
何を撮っているんだろうと思って見てみても何も無い。
しかしよく見るとNHKのカメラマンまでいる!絶対何かある!!
でも、待っても待っても何も起こらないのでもう先に参拝を済ませることに。
帰りに聞いた所によると、水行の希望者がいて、皆それを撮る為に場所とりをしていたらしい。
・・・この寒いのにご苦労な事・・・というか、そんな赤の他人が死にそうに寒い中行しているところをとりたがる人の気が知れません。
さて、気を取り直して奥の院。
拝観は自由。拝観料も不要です。必要なのは「お志」。まぁ、いわゆるお賽銭ですね。
奥の院はさすがに撮影禁止なので写真はありませんが、堂内は薄暗く、ほとんど灯篭の光だけ。
この灯篭の中でも孝女お照が献じた「貧女の一燈」、白河天皇が献燈した「白河燈」は一千年来燃えつづけており、他に全国の信者が献じた幾万もの灯篭が燃えている様子は幻想的。
しかも献灯した信者の為でもあると思いますが、灯篭のすぐそばまで上がれるようになっています(もちろん土足厳禁)。

奥の院をぐるりと拝観した後、奥の院最寄のバス停からバスに乗り、元来た道を戻ります。
今度は高野山ならではのお土産、ごま豆腐を買いに行く事に。
奥の院から金剛峰寺の辺りまでは比較的御土産物屋が軒を連ねているのですが、意外と「ごま豆腐」専門の店は無かったりするので、以前うにが実習で来た時に買ったごま豆腐屋さんへ行く事にしました。
場所は金堂の南側の道を通り、ガソリンスタンドがある路地を南下。住宅地の中にある角濱ごまとうふ総本舗
みりんが家用に生ごま豆腐を購入。普通のは高熱処理か何か(聞いたけど忘れました・・・)をしているため日持ちしますが、生の方はそういった処理をしていないため当日に食べないといけないらしい。
その後、金堂・不動堂・大塔等がある所を拝観。
御影堂 そこで、弘法大師が住んでいたといわれるお堂、御影堂の写真を撮っていると、後ろから「シャッター押しましょうか?」と言う声が。
そこにはだぼっとしたズボンの、一人の若いお兄ちゃんが。
せっかくだし、みりんと二人で撮ってもらおうとカメラ渡しつつ、「何でこの人はこんなところに一人?カメラ渡した瞬間ダッシュで逃げられたらどうしよう」と思いました。
でもそんな事は無く(あったら困るんだけど:笑)、「向こうにパンフありますよ、よかったら」と言うので、今度は「怪しい建物に連れ込まれて高級羽毛布団売りつけられたらどうしよう」と思ったんだけど(笑)、 普通に納経所に案内してくれて、お守りとかおみくじとかを買いませんかって。
聞くところによると、金剛峰寺の金堂の横の納経所にいてる、今年でまだ一年の新米小坊主らしい。
で、「お前案内して来い!」と言われて声かけた(かけさせられた?)んだとか。
せっかくだからと、境内を一通り解説付きで案内してくれました。なかなか興味深かった。面白いエピソードなんかも聞けましたしね。
うにより2歳年下なんだけど落ち着いて見えるのはやっぱりお坊さんだからでしょうか。
「五時になったら鐘をつくので、せっかくだし良ければ見に来てください」と言ってもらったけれど、帰りの電車の時間をチェックしてみると、鐘つくの見てたら帰りが凄く遅くなりそうだったのでやめました。
本当は見たかったんだけど、残念です。

それからバスに乗って、高野山を後にしたのは五時ジャストぐらい。
もう帰りの電車はかなり爆睡でした。
雪の高野山、今回はそんなに雪深くなかったですが、真っ白で、すごく綺麗で静謐という感じで身も心も洗われるようでした(そのわりにきゃっきゃはしゃいでましたが)
土曜だったけど以外に人少なでしたしね。金剛峰寺も奥の院・金堂も人声響く事も無く、ゆっくり見ることが出来ました。
以前行った比叡山はすごく人多くてざわついていたのですが、えらい違い。
夏に行った時もよかったですが、雪の時も最高です。寒さ対策はかなり必要不可欠ですけど。


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