西井康元創作20周年本藍染め作品展

          藍曼陀羅ワールド 心経を詠む


    平成18年4月26日(水)〜30日(日) AM10時からPM5時
    会場  やまと郡山城ホール展示場(綿元の西隣)
    作品解説
    今回の作品展は、私の
創作歴20年の集大成です。
    脱サラしたのが、36歳の頃。その後綿屋(ふとん屋)の傍ら、
    趣味で始めたのが、藍染めでした。
    それから20年。今や何とか藍染め屋さんと言えるようになってきました。
    藍染めの奥の深さは、皆さんの周知のことですが、
    本当に興味のつきない世界です。

    私は独学で藍染めを始めたものですから、
    まったく試行錯誤のたまものでした。
    失敗は成功のもとというのが、独学の本道と思いますが、
    10年間は楽しくもあり、厳しい世界でした。
    そして今、むしろ失敗を楽しみ余裕すら生まれてきました。
    
「失敗を包みこみ許してくれる」というのが、
    藍染めの豊かさだということが、判ってきました。

    この間、独学で技術を培ってきた
板締め技法を駆使しながらの作品作りが、
    私のオリジナリティと自負して言えるようになってきたのです。

    今回の作品展で
心経を詠むというテーマにしたのは、
    昨年末に苦労をかけてきた母を亡くしたからです。
    まったく個人的なことですが、母を亡くして心身ともに辛い時期に、
    毎晩般若心経を詠み、瞑想をしていた時、
    ふと、春の作品展は、私の生涯をかけた作品群のテーマ
曼陀羅
    焦点を絞ることにしようと思いついたのです。
    母を供養するとともに、先に逝ってしまった友の供養、
    そしてたくさんの飼い鳥たちの供養にと、
    私の
曼陀羅世界を描くことにしたのです。

    藍で描く曼陀羅世界は、同心円を描き、中心より開かれていく世界ですが、
    瞑想をしている時に目蓋に浮かんでくる画像でもあります。
    板締め技法で染めてゆきますが、作品の仕上がりは、最後まで判りません。
    藍の調子、体調に影響されて、はては
偶然性という要素が大きく左右します。
    それだけに、
偶然性に大いに期待するという態度が望まれるのです。
    だから、楽しい世界でもあるのでしょう。

    今回の各作品は
ノンタイトルです。
    見ていただいた皆さんにそれぞれに感じていただけるものを大切にしたいからです。

    私自身としては、20周年を迎えて新たな一歩を築くために、
    
般若心経が大いに私の創作意欲を支えてくれました。
    無欲になり、ただ我武者羅に染めてゆくという態度は、
    心経が教えてくれたものでした。
    ありがたい心経でした。

    さて、本日は作品展にご来場ありがとうございました。
    藍染めがもつ豊かさを味わっていただければ、幸いかと存じます。


      2006年4月26日                              藍染め師西井康元

会場風景

代表作品