オウム飼いの「自然派宣言」


上はホトケノザの花を食べるアケボノのヒカル

右のヨウムのゴンタは、ハコベを食べています。

秋になると、が大好きです。食べるのは、ルリコンゴウのランです。

40年あまり鳥を飼育してきて、この頃鳥とともに暮らす喜びを感じるようになりました。
大型インコを最初に飼ってからもすでに32年。大型初心者の時代は気の毒な鳥たちでした。
そして当時の反省をふまえて、私なりにベストをつくすことに努力してきたつもりなんです。
一方、この10年間で大型インコの飼育法がインターネットの普及、大型鳥のあつかうショップの展開、洋書の輸入などに伴って、随分理解されてきました。
とくにインターネットの普及で、世界中からオウムや大型インコの専門家の情報を知ることができるようになりました。
その結果、私も随分新しい飼育法を学ぶことができました。
とくに欧米やオーストラリアのブリーダーたちの情報を得られたことが、現在の私の飼育法の原点にもなっています。
それほどに、わが国では、大型インコやオウムの情報は限られているのです。
最近は、オーストラリアの本「A Guide to・・・」シリーズをもっとも信頼のおける本として、大いに利用させていただいています。
これらの本から学んだことは、きわめて豊かな自然環境でオウムたちを繁殖させて、希少な鳥たちを保護し、増やそうとしていることです。
日本国内では、このような豊かな環境で鳥たちを飼育している人々は限られています。
私も例にもれず、けっして豊かな環境とはいえない状況で、オウムたちを飼育しています。
それだけに、できる限り自然素材を上手に利用した飼育法を編み出したいと思うのです。
日本という四季折々の豊かな自然素材がある国は、その自然がくれた野草やハーブを上手に利用するという方法があります。
またわが国には、比較的安く豊富に種餌が輸入されています。例えば、麻の実などは、日本の伝統食材で、今もなお中国から大量輸入されています。
カナリヤシードもそうです。また燕麦もそうです。
最近、私たちの食卓では、発芽玄米や豆類のスプラウト、五穀米など、日本食の原点が見直されています。
稗や粟、キビ、このような小さい穀物も、日本人の健康食として見直されているのです。
こんな自然素材を、鳥たちの豊かな食卓にどうして用いようとしないのでしょう。
時代はあきらかに自然素材の復活の時代です。
完全栄養食なんて触れ込みで各種のペレットが売られていますが、飼い主主体のペレットには疑問です。
鳥たちが喜んで季節感を味わい、季節に応じて食べる種餌が変化してゆく鳥たちの選択権を奪うのは、不遜な行為だと思います。
鳥たちが今の季節ならどんな餌のバランスを求めているのだろうかと鳥たちの動きや目をみつめて、鳥と会話して餌の配合を変えていく心の豊かさが求められていると思います。
雛を育てているオカメインコの両親は、現在麻の実とカナリヤシードを多めにした小粒の種餌を中心に食べています。
もちろん、小松菜は朝、夕2回新鮮なものを与えます。もちろん大喜びです。
そして、畑で採ってきたネコジャラシを啄ばみます。これには、目の色が変わります。とってもうれしいのです。
子育てをしているオカメインコの両親は、本能的にこの時期には餌を変えているのです。
もちろん、塩土、イカの甲、ボレイもものすごい勢いで食べます。
こんな姿を見ていると、私もうれしいのです。鳥たちが、季節に応じて求めている餌を与えることができることが、うれしいのです。
そのために、畑に無農薬でハーブや野菜や果物を栽培しています。もちろん人もその恩恵にあずかります。
また雑草にも目が行きます。鳥の喜ぶ野草はないかとね。こうして、四季折々の野草をあたえることができるのです。
鳥たちに豊かな自然素材をあたえることができるということは、私たちの日常の暮らしも豊かになります。
私たちの健康食って何かとか、健康的な暮らし方って何か?とか。
鳥たちと一緒に暮らしてきて教えられる素晴らしいライフスタイルとは何かとね。

オウムの主食?副食?おやつ?


紫蘇の葉を食べるルリコンゴウ夫妻

プラムを食べるシロハラインコ夫妻

紫蘇の穂が大好きなオウムの風ちゃん

最近とっても疑問に思うことがあります。
インコやオウムの餌について、主食はペレット、副食は野菜・果物、おやつにはひまわり・麻の実というような文章です。
ある有名な国内著書には、このような表現が目立ちます。
このことに、大いに疑問に思うのです。
まるで人間のように、これは主食、これは副食なんてどなたが決めたのでしょうか。
本来、オウムやインコたちに主食、副食なんて、分けて餌を採るなんて習性なんてありません。
鳥はその季節の産物をあちこち移動しながら、子育て期には、無花果科の実などの果実、そして幼虫などを探して雛に与えます。
豊富な自然の産物から彼らの栄養になるものを確保するのです。
それも季節の旬のもの(当たり前ですね)を探しもとめて移動するのです。
オカメインコやモモイロインコは地上性が高いので、イネ科の植物のシードを探します。
オウム類も地下にはえる根っこも好きです。掘り起こして食べています。
もちろん子育て期には、幼虫が餌の軸になります。
オウムやインコたちには、これが主食だから毎日これを食べるという習慣は本来ありません。
季節に応じて、環境の変化に応じて、身体の状況に応じて、食べるものを変える習性があるのです。
これは本能的なものです。
鳥を飼う私たちは、その本能のままに餌を求める姿をまず理解することから始めなければいけないなあと最近思うようになってきました。
もっとも、熱帯地域に多いオウムや大型インコです。そんな彼らにわが国で同様な環境をつくり、同様な餌を確保することは、不可能です。
でも、日本国内で暮らす鳥たちは、しだいに日本の風土、気候に慣れてゆきます。
その環境の中で、より豊かな食生活を保障するということが、私たちに課せられた責任といっていいかと思います。
そのために、鳥の食卓にはできるかぎり四季折々の旬の果物・野菜・野草・ハーブなどを工夫して与えることが大切かなと思うのです。
だから、これは主食、これは副食、これはおやつと決め込まないで、ゆとりをもった考え方で餌の工夫をしたいものなのです。
今は秋です。秋の旬のものをあげると、果物では初秋には無花果、これからはりんごや柿、みかん、野菜では、唐辛子やピーマン、生のトウモロコシ、小松菜などの青野菜、野草では、ネコジャラシやツユクサ、オイシバ、メイシバ、イヌビエなどのイネ科植物の種、ハーブ系では、紫蘇の穂、アップルミントの若葉など多様なものを食卓にのせてあげることが、鳥との会話をすすめるのには、最高の自然素材です。

「馬肥ゆる秋」といいます。これは冬に備えて秋にはたくさんの餌を食べて、冬の寒さに耐える身体づくりをいたします。
これは馬だけのお話ではありません。鳥だって、収穫期の果実や穀物が多い時期です。こんな時にたくさんの餌を食べて、身体をつくります。
オウムや大型インコもそうです。日本の気候になれてくると、寒い冬に耐えるために、急にひまわりを大量に食べます。
これは、高脂肪の餌をたべることで、身体に脂肪層の厚みを確保するのです。
もちろん羽毛も冬の寒さに耐えるようなダウン層の厚い羽毛体質に変わります。それには、高たんぱく・高脂肪の餌が必要になるのです。
オウムの脂粉は、まさにこの高脂肪のたまものです。これが寒い冬に耐える羽毛になるのです。

一年中、同じ温度で同じ湿度で同じ日照時間であれば、熱帯産のオウムだって身体がついていけません。
一年中、発情状態になりがちです。最近、一年中、無精卵を生むオカメインコのことをよくうかがいます。
これは、上記のような環境で飼育しているからです。
むしろ、日本の季節感をその環境の中に取り入れることで、発情をコントロールする本能的なものを活性化することができるのです。

私たち人間は、動物的な本能は喪失傾向にあります。だから身体自身が要求する食素材に敏感ではなくなってきました。
でも鳥たちは、敏感です。豊富な自然素材を籠の中に入れてあげると、今はこれが欲しかったんだという目をいたします。
そんな時は、私もうれしくなるのです。じゃ明日もたくさん収穫してあげるからねと約束できるのです。
これが鳥たちとの会話の始まりです。
鳥の食卓には出来る限り豊富な彩りと餌の多様な大小も必要です。
多様な色の中では、トウモロコシの黄色、赤唐辛子の赤、小松菜の青などは、代表的な組み合わせです。それにニンジンもとってもいいのです。
大型インコにも小粒のシードは、当然必要です。わが家ではシードの半分以上は、小粒のシードです。
あの大きな嘴でもちゃんと稗や粟の皮をむくのです。そうすることで、嘴の器用さが確保されて、言葉もしゃべることが出来るようになるのです。
オウムだって、カナリヤシードはとってもいい餌です。本当に上手に食べるんですよ。