下馬評(げばひょう)
関係のない立場の人たちが無責任に話す評判
 江戸城の門前に「下馬先」と呼ばれる場所がありました。そこで馬を降りて、そこから先は歩いて城内に入るのです。殿が戻ってくるまでの間、お供の家来たちが暇つぶしに下馬先でたくさんのうわさ話をしていたそうです。

 そこから、事情も知らないのにあれこれと言われているうわさ話を「下馬評」と言うようになったのです。
 
うわさ話は、たとえその内容が間違っていても、真実のように伝わります。
伝わっていくうちに、どんどんエスカレートすることがあります。
「内緒の話だけど・・・」という言葉をよく聞きますが、一体誰に内緒なのでしょうね(笑)
そのひとことで、聞く人の眼が輝くのも、これまた人間の性(さが)ですね。
ということは、みんなに広めてほしい話のときに
「内緒なんだけど」を使えばいいかもしれませんね。

 うわさ、といえば・・・

  彼女とドライブをしていたときの話です。
  私の方から「何かおもしろい話題はない?」と持ちかけたら、
  彼女は「気になるうわさがあるんだけど」と切り出しました。

    「何?どんなこと?」

  「りんごなんだけど」

    「りんご??それ、ほんとにおもしろい話なんだろうなあ。」

  「すごく気になるの。」

    「何が?」

  「だから、りんご。気になるの。」

  彼女はなかなか、内容を教えてくれません。
  私はだんだんいらいらしてきて、ついに怒鳴ってしまいました。

    「さっきから、なんでリンゴが気になるんや!?」

  と大声を上げて、はっと気づきました。

  ・・りんごって「木になる」・・・・

  私は、驚き、情けなさ、おもしろさ、感動、混乱・・・
  とても複雑な感情とともに、大笑いしました。(笑)
  そしてふたりは結婚したのです。めでたしめでたし。

       この話はノンフィクションです。
       この話題と結婚したことは全く関係ありません。