似て非なるもの
孔子が弟子たちに言いました。
「私は、外見が似ていて、中身が全く違うものを憎みます。たとえば、
莠(はぐさ)という植物を憎むのは、私たちにとって大切な穀物の苗に似ていて紛らわしいからです。
口先のうまい人を憎むのは、その言葉が義(=正しい筋道)に似ていて紛らわしいからです。
言葉を上手に扱う人を憎むのは、間違っていてもまるで真実のように聞こえて紛らわしいからです。
鄭(てい)の国のみだらな音楽を憎むのは、優雅な音楽に似ていて紛らわしいからです。
紫のような中間色を憎むのは、正色である朱色に似ていて紛らわしいからです。
そして、偽善者を憎むのは、ほんとうに徳のある人に似ていて紛らわしいからです。」
■ 同じようだが、実際は全く別のもの。最近は、にせもの、いかがわしいものなど、悪い意味で使われます。
<例> 願望と欲望は、似て非なるものです。