故事成語

四面楚歌
 紀元前3世紀のことです。超大国の秦が滅んだ後、楚の項羽(こうう)と漢の劉邦(りゅうほう)が、覇権を争って激しい争いを繰り広げていました。

 最初は項羽の軍が優勢に闘いを進めていましたが、少しずつ劉邦の軍が盛り返し、だんだんと項羽の軍は、追いつめられていきました。項羽は、垓下(がいか)という所にとりでを築いて立てこもりましたが、劉邦の軍は周囲を幾重にも取り囲んでしまいました。

 ある夜のこと、項羽のとりでの周囲の東、西、南、北、四方面から、項羽の祖国である楚の国の歌が聞こえてきました。項羽は、「私たちを取り囲んでいる敵の漢軍の中に、こんなにも楚の土地の人々がいるのか。もうすでに、楚の国は漢にとられてしまったのだろうか。」と驚いて、自分の最期を悟ったのです。
■ 周りを敵に囲まれて、孤立している状態。

<例> だれもあてにならなくて、まさに四面楚歌だ。