故事成語

万事休す
 大国であった唐の国が倒れ、五代十国の乱世となりました。地方の小国であった荊の国を治めていたのは高従誨(こうじゅうかい)でした。従誨にはたくさんの子供がいましたが、従誨は10番目の幼な子の保勗(ほきょく)ばかりを溺愛しました。激怒しているときでも、この子を見れば怒りが消えてにっこり笑うのでした。そんな従誨の態度を見ていて、荊の国の人たちは、「すべての事が休んでしまった(=これ以上先に進まない)」と思うようになりました。

 従誨が亡くなったあと、三男の保融(ほうゆう)が跡を継ぎましたが、才能に乏しく、弟の保勗に政治を任せることが多くなりました。保融が13年、その後を保勗が継ぎましたが、保勗は甘やかされて育ったため身勝手さが多く見られ国が乱れてしまいました。そして三年後、とうとう荊の国は滅ぼされてしまいました。
手の施しようがない。すべてが休止してしまうこと。

<例> ここまで粘ったが、もう万事休すだ。