故事成語

眼あって珠なし
 孟光(もうこう)は、父親から結婚をすすめられました。父親は3人の候補をあげていました。金持ちで大きな家に住む若者と、級官吏見習いの頭がとてもいい若者と、文学の才能がある学生です。父がすすめる人物に間違いはない、と信じていましたが、だからといって結婚は人生最大の決断のひとつですから、そう簡単に決めてしまうわけにはいきません。

 迷っている姿を見て、付き人の梅香(ばいこう)という女性が孟光に助言をしました。「3人ともそれぞれ才能があるようですが、貧乏な学生だけはやめたほうがいいでしょうね。」それを聞いて孟光は「あなたは財産で人を判断するのですか。人を見る時に大切なものが抜けているようです。まるで人を見ていても肝心の玉がないようなものですね。」と答えました。
物事の正誤・善悪・真偽が見抜けないこと。

<例> とても満足しているそうだが、眼あって珠なしだね。あれは実は偽物なんですよ。