虎視眈々
儒教(じゅきょう)の経典である易(えき)で用いられている占いに、六十四卦(ろくじゅうしけ、ろくじゅうしか)というものがあります。占うときの項目が64種類ありますが、その中のひとつに下あごを意味する「頤(い)」というものがあります。下あごは食べるときに動かしてからだ全体を養う大切な場所なので、「頤」には「口・養う・生活する・育てる」という意味があります。その「頤」に関して次のような解説が書いてあります。
上の立場の人が下の立場の人を頤(やしな)うのは当然のことですが、上の人が下の人に頤(やしな)ってもらおうとするのは間違いで「凶」になります。ただし、下の者がとてもいい人だという理由で頤(やしな)ってもらおうとするならば、他の人々に夢や安らぎを与えることができるので吉(きち)になります。もし、下の人に助けてもらうことでばかにされるのではないかと心配するならば、虎が獲物をねらってじっとにらみつけているような態度でのぞむようにすれば大丈夫でしょう。
■攻撃や侵略、野望をはたすための機会をうかがっている様子。
<例> 次のチャンスを、虎視眈々と狙っている。