歴史的な大発明「アーチ構造」
                    2002.4.20 東山裕一


「大きなアーチを描いて外野席へホームラン !! 」。
アーチとは山なりの形のことで、駅前のアーケード(Arcade)もこの語源から来ています。 屋根が確かに丸くなっていますね。

実はこのアーチ構造は、土木、建築分野では頻繁に使われる、構造学の基本中の基本なんです。 ヨーロッパの教会のドーム建築、身近なところでは橋げたを下から支えたり(有名なのは長崎にある石造のめがね橋)、鉄製アーチから橋げたを吊り上げたり、はたまたダムを上から見ると湾曲しているのも、みんなこのアーチ構造を原理としています。

重いものを支える「アーチ構造」は、今から5000年前、メソポタミアのシュメール人が発明し、現在の建築の基礎となりました。 「建築学」の英訳「Architecture」は、実はこのArchから来ています。 ちなみにコンピュータの構造もアーキテクチャといいますが、これは建築学から派生した言葉です。

ところで、何もない空間にいきなり図のようなアーチ構造を作るのは大変です。 特に上の部分を作るのにどうしたか想像できますか。 実は、まず空洞の部分を盛り土で埋めて、その上にレンガでアーチを作り、最後に盛り土を取り除いたんです。 この考え方は、お寺のつりがねや奈良の大仏など、鋳物の作り方とよく似ています。 「空」を「実」で埋めて、あとで「空」にもどす。 昔の人って賢いですね。
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