同音異義語 "あやまる"、"ask"
2005.5.8 東山裕一
日本語の「あやまる」には、英語の”mistake”と”apologize”の二つの意味があります。 漢字では「誤る」、「謝る」と区別していますが、やまと言葉ではなぜか同じ発音です。 私の勝手な想像ですが、間違いを犯すことと、そのことによって謝罪するという自然な組み合わせがひとつの単語を生んだのではないかと思います。 英語でこの二つを混同していないことがさすが西洋的だなと感心しますが、一方では「誤っても謝らない人」が増えた世の中が嘆かわしく思います。
英語にも同じような例があります。 ”ask”には「尋ねる」と「頼む」という、一見似ているようで違った意味があります。 どちらも相手をわずらわせるという共通点があり、そもそもそういう語感の単語なのかもしれません。 日本語ではまったく区別している点がおもしろいですね。
それぞれの言語は、違った文化背景、価値観念をベースにできたものですから、違う言語の単語同士を1対1に対応させること自体が無理なのかもしれません。 しかし逆にいえば、ほとんどの単語が対応付けできている、すなわち外国語辞書ができるということが不思議でもあります。 人類である限り、根底は同じということがむしろ感慨深いです。
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