"文化住宅"と"電網住宅"
2004.11.28 東山裕一
貸し家にしゃれた名前を!ということだと思いますが、マンションやハイツという名前が一般的になりました。 しかしこれらは日本独特の意味で使われていることに注意しなければなりません。 「私はマンションに住んでいます」なんてアメリカで言おうものなら、あなたはすごい金持ちなんですねということになります。 Mansionは一戸建ての豪邸という意味ですから。
今ではほとんど使われることがありませんが、我々が子供の頃には「文化住宅」という貸し家がたくさんありました。 いかにもハイセンスな文化の香りがする響きがありますが、実は便所と流し台がついているという、今では当たり前の住宅です。 当時の借家は、便所や炊事場が各戸になくて共同というのが一般的でしたから、画期的な住宅だったのでしょう。 でも「文化」とは何ぞやという哲学よりは、単に家の中で料理をし、用を足すという基本的なことができることに「文化」という言葉を使ったことに、当時の生活事情が推し測られて興味深いです。 そういえば、白黒テレビ時代に「水道完備、ガス見込み」というテレビ番組がありました。 ちょうどこのことですね。
これからは、「光ファイバー完備」を売り物にした「電網住宅」ぐらいがはやるのかもしれません。
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