世界の中心はどこ?
                    2008.3.20 東山裕一


人間はもともと自己中心的なものです。

昔から地図を書くとき、自分の住んでいるところを中心に書きます。これは単に日常生活において便利だからです。日本国内で流通している世界地図は、日本が真ん中にあってアメリカが東の端、ヨーロッパが西の端、また欧米で目にする世界地図はヨーロッパが真ん中、アメリカが西側、そして日本は東の端にあるのも同じ理由です。
地名が、一国を治める政府機関を中心にして付けられることもよくあります。昔の日本でも都(大和・京)中心の地名が結構あります。@近江(おうみ滋賀)、遠江(とおとうみ静岡)、A越前(福井)、越中(富山)、越後(新潟)、B備前(岡山)、備中(岡山)、備後(広島)、C筑前(ちくぜん福岡)、筑後(ちくご福岡)、D豊前(ぶぜん福岡・大分)、豊後(ぶんご大分)、E肥前(ひぜん佐賀・長崎)、肥後(ひご熊本)がそうです。
しかし今日、支配権も何もない人々に対してまで、「自分たちが世界の中心だ」という考え方をする国、民族があるということは問題です。近東(Near East)、中東(Middle East)、極東(Far East)という呼び方は、いかにも欧米が世界の中心だという考えを世界に押し付けているようで、私には好きになれません。日本人までがイラク・サウジアラビア辺りを中近東と呼ぶのは間違いです。「中華思想」は、中国が世界の中心として華やいでおり周囲は野蛮だという思想です。中国にはまだその思想が歴然として残っています。誰が中心だということのない、Internet Webのような世界が早く来てほしいものです。
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