芸術と技術 "State of the Art"
                    2002.3.10 東山裕一


冬季オリンピックが終わりましたが、フィギュアスケートの美しさは何度見ても感動ものです。 ところで、順位を「テクニカルメリット(技術点)」と「アーティスティックインプレッション(芸術点)」の合計点で決めるというのが面白いですね。 技術的なできばえと芸術的な美しさをまったく対等に評価するということなのでしょう。

英語に"State of the art technology"という言葉があります。 「芸術の域に達している技術」とでも訳するのでしょうか。 暗黙のうちに、技術よりの芸術の方が上位だということを含んでいて、技術者より芸術家の方がレベルが高いとでも言いたげです。 日本語には「機能美」という言葉、「本当に優れた働き、機能をもつものは美しい」というのがあり、技術の地位が結構高いことを示しているように思えます。

いずれにしても我々の心のどこかに、理屈で説明できない神秘的な美しさに対するある種のあこがれみたいなものがあるのは事実でしょう。 物の豊かさが満たされてきた半面、心の豊かさを求める時代背景ともつながりがあるのではないかと思います。
お金に代えられない感動、幸せを、いつまでも忘れないでいたいものです。

Copyright (C) 2000-2002 Higashama