米国経済再生前の教訓的ジョーク「米国式経営」
2002.12.8 東山裕一
1990年代初めに聞いたアメリカの冗談話です。 タイトルは「A Grim Fairy Tale」、グリム(Grimm)童話ではなくて、ぞっとする(grim)お話です。 思えば、それ以降米国経済が蘇り、日本は"失われた10年"に突入していきました。 ひと事ではない教訓です。
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ある時、アメリカと日本の自動車会社がデトロイト河でボートレースコンペをすることになった。 どちらのチームも最高の実力を発揮できるよう日夜練習をくりかえし、最善のコンディションで当日を迎えた。 そして本番、日本チームが1マイルの差で勝った。
その後、米国チームはこの敗北に落ち込み、モラルは下がった。 マネージメント本部は、どうしてこんな決定的な負け方をしたのか徹底的に究明することにした。 問題調査と適切な措置を答申すべく、"経営幹部層"の継続的かつ計測可能な改善策検討チームが設置された。
結論: 問題は、日本チームは8名が漕いで1名が舵取りをしていたのに対し、米国チームは1名が漕いで8名が舵取りをしていたこと。 米国の運営委員会はすぐさま、マネージメント構造を検討するべくコンサル会社を雇った。
数ヶ月と何十億ドルを費やした後、コンサル会社の出した結論は、「舵取りが多すぎて漕ぎ手が十分機能しなかった」というものでした。 翌年のレースで負けないために、マネージメント構造を「4名の舵取りマネージャ、3名の地域舵取りマネージャ、1名のスタッフ舵取りマネージャ」体制に変えられ、漕ぎ手に対しては、意欲的に働き、6σ (シックスシグマ) 実践者になるため十分なインセンティブを与える新評価制度が導入された。 「漕ぎ手に権限委譲と給与優遇」。 うまくいくはずだった。
そして翌年、日本チームが2マイルの差で勝った。
米国のマネージメント本部は、低い働きを理由に漕ぎ手を解雇し、オールをすべて売り払い、新たな設備投資とカヌー開発を中止、そしてコンサル会社には優良業績賞を贈り、ボーナス用に貯めていたお金は上級役員に配った。
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