ハンバーグと天津栗
2009.8.9 東山裕一
ハンバーグ(ステーキ)は"Hamburg steak"と書くぐらいだから、さぞかしドイツ・ハンブルグの名物料理だろうと長い間思っていました。
ある時、ハンブルグに出張する機会があり、勇んで何軒かのレストランでメニューを探したりウェータに聞いたりもしましたが、結局見つけられませんでした。不思議に思って帰国後調べてみたところ、ハンバーグはハンブルグ料理ではありませんでした。
モンゴル帝国の騎馬民族(タタール人)が頻繁にヨーロッパに遠征してきた時代(13世紀ごろ)の事。乗りつぶした馬をひき肉にして食べていた彼らの料理法を見たイギリス人が、Hamburg地方で見た料理という程度の意味で使った名前のようです。
話は変わって、お祭りや初詣の出店に欠かせない天津甘栗。天津出身の中国人に聞いたところでは、これも天津にはないそうです。調べてみると、天津港で大量の栗を日本向けに船積みしていたことに由来するらしいです。
ウィンナー(ウィーン風)ソーセージ、アメリカンコーヒー、讃岐うどんなど、一般的にはその地方の特産料理、その地方風の味付けのはずです(現地でどう呼ばれているかはまったく別の話です)。しかし、そうではなくて歴史に由来し奥深いものも多く、結構良い"うんちく学"の題材になります。
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